誰かに聞いた怖い話
38話…現れたモノ達
.
『あの時…私は余り…食欲が無くて、何故だかわからないけど…頭が締め付けられるように痛くなったんです…』

その新入生は、顧問の先生の優しい言葉に少しずつ落ち着いて来たのか、ぽつりぽつりとその時起こった出来事を話し始めたのでした…

『でも…ここへ…この宿へ来るまでは、別に…何とも無かったんです』

『この宿の離れの玄関に入った途端に、急に寒気がして…何かに見られている様な…そんな嫌な視線を感じたんです』



『あなたもなの?』

私は思わず彼女に声を掛けていました



『先輩もなんですか?』



『えぇ、私も同じ様な感じがしたわ…』



『そうなの…私は何も感じ無かったわよ』

部長をしている私の親友は、何も感じ無かったらしかった…



『それで…それから?』

顧問の先生が難しい顔をしながら、話の先を促しました



『廊下の奥の方が…とても薄暗く不気味に感じて…私は直ぐに部屋に入ったんですけど…部屋の奥の方に置かれていた、小さなクローゼットの周りが何故か薄暗くて…』

『でも…お友達は何も感じていないらしく、さっさと荷物をそのクローゼットの前辺りに置くと、そこに座り込んで話を始めたんです』

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