誰かに聞いた怖い話
・・・異変の始まり3
.
『あっ…はい、今行きます』
廊下の奥の暗がりから漂う気配に気を取られていた私は、先輩に声を掛けられて慌てて靴を脱ぎ先輩の後を追ったのです…
この日、私達2年生と新入生に割り当てられた部屋は、玄関を入って直ぐの左側の部屋でした
その部屋は先程の廊下程は嫌な雰囲気はしませんでしたが、たった一ヶ所だけ近寄りがたい目に見えない何かを感じる場所が在り、私は無意識にその場所から離れている部屋の入口近くに荷物を置いたのでした
その近寄りがたい場所には今年入学したばかりの、新入生のグループが座っていたのです
『ねぇ、夕御飯は何時だって言ってたか覚えてる?』
『えっと…確か6時って言ってなかった?』
私は友人達の会話を聞きながら、明日の試合の事を考えていました
けれども…無視しようとすればする程、先程感じた嫌な気配の事を考えてしまいます
そして怖いもの見たさとでも云うのでしょうか、ふと気が付くとその場所にチラチラと視線を投げ掛けている自分がいるのです
そしてその場所に座っていた新入生の後ろに、一瞬だけ何か黒い人影の様なモノを見つけたのですが、もう一度目を凝らして見た時には消えていたのです
[前頁へ][次頁へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!