誰かに聞いた怖い話
37話…異変の始まり
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『ねぇ…いったい何があったの?』
『泣いてちゃ、わからないわ…どうして帰りたいの?』
『…ひっく…』
『本当にどうしちゃったの?』
『誰かにいじめられたの…ねぇ?』
『まぁまぁ…二人とも…そんなに質問ばかりじゃ、答えたくとも答えられないわよね』
その部屋には顧問の先生の他に、私と部長と問題の一年生の四人が座っていました
他の部員達の居る大部屋では、周りの部員の興味津々といった好奇の視線が集まり、その娘も話し辛かろうと私達はその一年生を連れて、顧問の先生の部屋を訪れていたのです
『ねぇ、落ち着いて先生に話してご覧なさい…ゆっくりで良いから…ねっ』
顧問の先生は矢継ぎ早に質問をしていた私達の代わりに、穏やかな口調で優しく諭す様に話し掛けたのでした
『…ひっく…せ、先生…私…あの部屋は嫌です…ひっく、あの部屋には…泊まりたく…あ、ありません…ひっく…』
『……』
『…』
『ねぇ、どうしてなの?先生に教えて』
『あ、あの部屋には…いるんです』
『…何がいるの?』
『お、お化けがいるんです…わ、私見たんです』
『さっき、あの部屋で!』
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