誰かに聞いた怖い話
・・・身近な恐怖(伍)7
.
『やだなあ…店長悪い冗談はよして下さいよ』
車から降りて直ぐに、奇妙な事を言い出したバイク屋のオーナーに、僕はそう答えていた…
『あれ…だってライトに照らし出された白い服装で、そこに人が居るって気が付いたんだけどな…?』
…確かに悪い冗談だ…それじゃあ、ここでの幽霊の目撃情報そのものじゃないか…
でも…確かに僕の服装じゃ、見付けにくいかも……もしかして…
後から考えると、その時既に異変は始まっていたのだ
『うーん…確かに、君の横に座って居たと思ったんだけどな……見間違いかな、まぁいいや』
オーナーは私と話しながら、傍に置いてあった自転車を軽トラックに積んでいた…
『もし二人だったら、これの荷台に乗ってもらう所だったよ』
『さぁ、行こうか』
『店長は怖く無いんですか…幽霊とか?』
『この目で見た事が無いから、別に怖く無いよ』
ついさっき…僕の横に座って居た何者かを見たと、言っていたじゃないか…僕はそう思いながら、軽トラの助手席に乗り込んだのだった
その為…この時に僕は、重大なミスをしていた
古い携帯と今日買った携帯の説明書が入った紙袋を、忘れてしまったのだった
[前頁へ][次頁へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!