誰かに聞いた怖い話
・・・身近な恐怖(伍)5
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その張り紙を見ている僕に気が付き、店員が話し掛けて来た



『その女性は、会社からの帰宅の途中で行方がわからなくなったそうですよ』

『警察にも届けは出しているそうですけど、御両親が見えられて、うちの店にも張り紙を張らせて欲しいって…もし、何か気が付いた事があったらここか、その連絡先にお願いします』



『へぇー、可愛い娘だね…何かわかったら知らせるよ、それでいつ頃なの?いなくなったの?』



『えーと…確か夏頃だったと……あっ!そうです梅雨明けして直ぐの頃ですね』

『うちの店にも、ちょくちょく来てくれて…良い娘だったんで…………』

僕は店員の言葉も上の空で、その張り紙の女性の写真に見とれていた…





『あぁ〜もう〜、バイクが壊れてなきゃあ、こんな坂…』

大分暗くなった山道には、息を切らせながら登って行く僕の他には誰も居なかった

悪い事は重なるもので…今日の僕もついていない一日だった…

バイクが壊れたり、携帯の引き渡し時間が遅れたり…

そして今度は…自転車のタイヤがパンクしてしまったのだ

唯一ラッキーだったのは、携帯でバイク屋に連絡がとれて、山道迄軽トラで迎えに来て貰える事だった

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あきゅろす。
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