誰かに聞いた怖い話
25話…身近な恐怖(伍)
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『数年前の事なんだ…僕はそれ迄使っていた携帯を、携帯会社ごと変えた事があったんだ』
『勿論電話番号は変わってしまったし、新しいのを買ったからその番号は暫くは廃番になっている筈なんだよ』
『そう言えば2年間は同じ番号は貸し出ししないって聞いた事があるけど、どこの携帯会社も一緒なのかな?』
『俺は知らないな』
『まぁどこも似たようなもんじゃないのか?』
『そうだね、余り早いと以前使っていた人宛の電話がかかって来て煩いし…』
『…で、携帯がどうしたんだ?』
『…うん、実は携帯を買い換えた数日後の夜中の事なんだけど…僕の携帯を鳴らした一本の電話が、その嫌な体験の発端だったんだ…』
『嫌な体験?』
『そう…嫌な体験…』
その日僕は、今迄使っていた携帯電話の繋がり具合が、僕の必要とするエリア内で少し悪いので、他の携帯会社の携帯に買い換えようと自転車で隣町へと続く山道を登っていた
勿論僕の住む近所の店でも、豊富な品揃えがあったんだけど…隣町の量販店では丁度キャンペーンをやっていて、景品が…抽選ではあるが当たるかも知れないので、わざわざ隣町迄足を伸ばしたのだ…
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