誰かに聞いた怖い話
・・・身近な恐怖(壱)9

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『これは僕が小さい頃に親類の家へ遊びに行った時、本棚とタンスの間の隙間に落ちていた古い雑誌に載っていた記事なんだ』

『僕は余り内容がわからずに、その家にいたお姉さんに聞いてみたんだよ』



『お姉さん?従姉妹か?』



『いや、お手伝いの…だよ、そうしたら僕にわかるように簡単に説明してくれたんだ』

『その雑誌には、そのマンションに住んで居た女性の手記と、さっきの記事が載っていたんだが…どうやら医療ミスで手術を失敗された娘を殺害した上、その皮膚等を火傷等で手術の必要な別の患者に使ったり、内臓を売買したりした疑いがあったのだけれども…結局病院はその事には無関係で、あくまでもその医師一人の犯行と云う事になったらしい、そして被疑者死亡のまま真相は闇の中になってしまった…そんな感じの内容で、彼女の言うのには壁を這いずり回ったモノとは、その医師に殺害された患者の顔…肉面だったんじゃないかと…』

『それから僕はベットに寝た瞬間や、夜トイレに起きようと目が覚めた瞬間に天井を見るのが怖かった…だから夜は真っ暗闇にして眠る癖がついたんだよ』

『今でも、ふと天井を見るとそこに血だらけの顔が張り付いている気がしてな』

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あきゅろす。
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