誰かに聞いた怖い話
・・・身近な恐怖(壱)3
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『キャツ!…冷たーい』

彼女の一日は…その一言から始まった…





上へと向けた彼女の視線には、天井に広がりを見せつつある、小さな赤みを帯た染みが映し出されていた…

『何これ…雨漏り?……そんな筈無いわね、ここって一番上の部屋じゃ無いし…配水管が壊れてるの…』

『もう…家賃がやけに安いと思ったら、不良物件だったのね』

彼女が丁度ネグリジェを脱いだ時に、襟首に落ちた一粒の滴が…前代未聞の猟奇的事件の発覚の発端になるとは、この時彼女は少しも思っていなかった…





襟首を拭った彼女の掌には、ほんのりと赤みを帯た少し生臭い液体が付着していた

『何これ?排水かしら?早く着替えて、管理人さんを呼ばなくちゃ…』

彼女はいぶかし気に首を傾げながら、その掌に着いた液体をタオルで拭い取り、水漏れを避けるように着替えを続けたのだった…

その間も、天井の染みはゆっくりと広がりを見せていた…





『管理人さん』

『おはようございます、管理人さん』

20分後、彼女は一階にある管理人室のドアの前に立っていた



『はいはい、おはようさん…今日は少し寒いねぇ、それでどうしました?』



『実は…』

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