誰かに聞いた怖い話
21話…身近な恐怖(壱)
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『…その話を僕が知ったのは…漫画からだったんだ…』

『…僕もそれは漫画の中の話だから…そう思っていた』

『でも…でも……違ったんだ』

彼はそう言うと目を閉じて、暫くの間頭の中で何かをまとめようとしているようだった…



やがて彼はゆっくりと目を開けると、再び話し始めた



『その漫画家さんが、その事件を知って…いや、その筈は無いな…』



『その漫画のストーリーは、どうなっているんだ?』

『うん、俺も知らないからな』



『うん、確か…顔に自信の無い女の子が、整形手術で別人のようになるんだけど…その時に剥ぎ取った皮膚…肉面が元居た自分の顔を求めて、壁を這いずり回り…やがて天井からズルッと下に……その後は顔が元に戻ってしまうんだったと思うけど…まぁ、その漫画はそんな内容だったと思うよ』

『…でも、僕の聞いた話だとその患者さんは、整形手術が失敗して自殺した事になっているんだ…』

『そしてそこから話は始まるんだ…』





『何でよ!直るって言ったじゃない!』

『先生は、はっきりと私に言ったじゃない!成功間違い無しだって…』

『私……私、もう少しで結婚するのよ!どうしてくれるのよ!』

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あきゅろす。
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