誰かに聞いた怖い話
キャンプ場の夜4
.
『だけどさ、それって噂だろう?』

…尋ねる私に、友人は…

『そうなんだけどさぁ……見たって人が結構いるんだぜ!』


『……まさか、それが目当てで此処に決めたのか!』



『…』



どうやら図星だったようだ

理由がこれじゃあ、後から1人で来る弟君が気の毒である…

続けて抗議の言葉を言おうとした私を抑えて、その友人が言葉を繋ぐ…

『まぁ、そう怒るなよ……今日はそれだけじゃあ無いんだから…』



…?…それだけじゃあ無い?

この時の私には、それを理解する事は出来なかった……

今の私なら、おぼろ気ながらわかる気がするのだが…

そう…今の私なら…



『なぁ…折角だからさぁ、自分の知ってる怪談話を話し合わないか?』



険悪な雰囲気になりかけていた私達に、さっきから成り行きを見守っていた友人の1人が、誰とはなしに話しかける



『そうだな、そうするか?』

同じく成り行きを見守っていたもう1人も、すかさず賛意を表した

勿論、此処に来るのを選んだ友人が反対の筈はない…

問題はパーキングエリアでの体験談を語った彼である……

皆の視線が、自分に向けられているのに彼が気付いた……

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