誰かに聞いた怖い話
水平線を朝日が燃やす頃
.
『兄ちゃん、起きろよ…』
『んっ……おう…』
どうやら俺は寝てしまっていたらしい……
それにしても嫌な夢を見たもんだ…
『そろそろ行かないと、朝日の出る時間に間に合わないよ』
弟の言葉に、霧のかかったような頭が次第にハッキリしてくる
本当に嫌な夢だったな………あれは夢?…だよな…?
俺は弟に聞いてみようかと思ったのだが、笑われそうで恥ずかしかったのと…弟の何も無かったような様子に聞くのをやめた…
『何だよ!それ!…夢落ちかよぉ〜』
『おい、おい』
『全くお前は……』
彼が話をやめたので、友人達が騒ぎ始めた……
『待てよ!話はまだ終わって無いんだからさぁ〜!少しは飲ませろよ……』
…彼はアイスボックスから良く冷えた缶ビールを取り出し、一口、喉を湿らせると話の続きを始めるのだった…
俺達のそれからのドライブは、夜中だという事もあって、スムーズに目的の海岸迄到着する事が出来た
海岸には千葉迄来たにも関わらず、珍しく見知った顔が揃っており、煙草を吸いながら今日の波の事をあれこれ話し合い、東の水平線が明るくなるのを見つめていた……
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