誰かに聞いた怖い話
・・・中古車10

.
幸いなことにグローブボックスに右手を入れて懐中電灯を探していた為、身体に力が入ったので私はその何かから逃れる事が出来たのです

そうして助手席に置いてあったバックを手にすると、無我夢中で車から離れました

途中チラッと振り返った私の目には、真っ暗闇の中で車内だけがボンヤリ光っているのが映りました

そうして何とか無事に家に帰り着いた私の、普通じゃ無い様子を心配する家族に、私はさっきの出来事を打ち明けました…

父と弟が車を取りにこれから行くと言うのを必死に止めて、翌日修理屋さんに直接取りに行って貰う事にしたのです

…でも、修理屋さんが車を見た時には、何処にも異常はありませんでした

しかし…私は、その車を自分で運転して返しに行くのが怖かったので、修理屋さんに無理を言って友達の家迄届けて貰ったのです…

昨日の事を彼女の母親に話すかどうか迷いましたが…正直に打ち明けると、彼女の母親は一言、やっぱりと呟いたのです

あの車に乗ると、寒気がして気味が悪かったと…

しかし、あの夜聞いた言葉の意味はわかりませんでした



あの車にどんな秘密があったのかは、7日後…刑事さんの来訪によって明らかにされたのです…

[前頁へ][次頁へ]

19/97ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!