誰かに聞いた怖い話
・・・中古車9
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いくらキーを回しても、エンジンはかかりませんでした…
こんな所で急に動かなくなるなんて…
バン!…
私は思わず、ハンドルを両手で叩いていました
都合の悪い事に私の携帯は、今日の事件を警察署へ通報するのと家への連絡の為に、長時間使ったので既に電池切れの状態でした…
『どうしよう…』
さっきから、すれ違う車はありませんでした
この調子だと…偶然を期待するのは無駄のようです
私は、誰かがこの道を通るのを待つのは諦めて、歩いて帰る事にしたのです…
『あ!そうだわ!』
私はこの時…助手席の前にある小さなグローブボックスの中に、車の故障した時の為にと友達が懐中電灯を仕舞っていたのを思い出しました…
…私がグローブボックスを開け、辺りが真っ暗闇の中グローブボックス内へ右手を伸ばし助手席のシートに左手をついて身体を支えて、手探りで懐中電灯を探そうとした瞬間でした!
グッ!
私の右手首が何かに強く握られたのです!
『…!キャーッ…』
私は…右手首を掴み強く引っ張る、その何かから逃れようと必死でした…
その時です…声が聞こえたのは…
『私の…私の車を…返して…よ…』
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