誰かに聞いた怖い話
・・・中古車7
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警察署を出てからの帰りの車の中は、まるでこれから判決を待つ囚人のように、2人共押し黙ったままでした…
途中のコンビニで、サンドイッチと紙パックのジュースを買いましたが…とてもじゃ無いけど食べられませんでした…
お腹はとても空いている筈なのに、物を食べようとするとあの強い腐臭が思い出されて…とても食べられません…
もしかしたら…あの崩れ落ちた瞬間に…その…モノの一部が飛び跳ねて、私の服や…髪の毛に……そう考えただけで、食欲が無くなりました…
それでも…私が運転する赤い車は、いつしか私達の住む街に辿り着いていました…
その帰り道の車中で、彼に云われるでもなく…私は何度もヒーターの温度を上げたのを覚えています…
『今日は、ごめんな…俺が運転出来ないばっかりに…、じゃ、又、後で電話するよ…おやすみ』
『…うん、おやすみ…』
私は、私の家から車で8分程離れている彼の家に先に彼を降ろすと、私の家迄の帰り道を…ちょっと狭くて寂しい道で…歩きでは絶対に通らない道なのですが、車なら大丈夫だと思い通る事にしました…
その判断が……私を更なる恐怖体験へと導く事になるとは…私にはわかりませんでした…
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