誰かに聞いた怖い話
パーキングエリア6

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いや!正確に言うと出来なかったのだ…

自分では声を出している積もりだったが、後から弟に聞くと口を開けたり閉めたりしていたそうだ…

そう…金魚が水からあげられた時に、必死に酸素を吸おうと水を探し求めているように…

その上、身動きの出来ない…そう!金縛り状態にあったらしい…

そう弟から聞いたのだ…

そうなのだ…弟は首を絞められながらも、周りの事が良く判っていたらしい…

何故なのか俺の喋ろうとしている事から、しようとしている事迄、頭の中に浮かんだそうだ…



『やめろ!放せ!何をするんだ!』

俺はそう言った積もりだったのだが……

言葉に成らないうめき声を張り上げ……

動かない身体で…真っ黒な男を殴りつけようと、必死でもがいていた積もりだった……

勿論、指一本として動かせなかったのだが…



どの位そうしていたのか?

全然覚えていないのだが……

不意に真っ黒な男が、弟の首を絞めるのをやめると…ゆっくりとこちらを振り返った!



『うわ〜っ』

俺は言葉にならない悲鳴を張り上げていた!

……いや、本当は張り上げている積もりだったのだが……

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あきゅろす。
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