誰かに聞いた怖い話
・・・中古車6
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そこには…私の彼よりも背の高い女の子が、立って居ました…



…いいえ、背が高いんじゃないわ…だって…、だって…足が地面に着いて無いもん…

私は驚きと混乱で悲鳴すら上げられずに、その場に崩れ落ちてしまいました…

そんな私に気付いて慌てて駆け寄ろうとした彼と、今にも気を失いそうな私…

そんな2人に対して次の瞬間に襲ったものは…先程よりも強い風に乗って漂って来た腐臭と…強い風に揺られながら、ゆらゆら…ゆらゆらと林檎のように木になっていたそのモノが、ゆっくりとこちらを…正面を向いて…

…そして私達の目の前に、苔の生えた柔らかい緑の絨毯の上に崩れ落ちた瞬間でした…



私は、遠くなってゆく意識の中で、彼の悲鳴を聞いていました…





どのくらい時間が経ったのでしょうか?

私が目を覚ましたのは、見知らぬ車の中でした…

ゆっくりと開けられた眼に…赤い瞬きが眩しかったのを覚えています…





それから後の事は、余り話したくありません…

私が彼と共に警察署を後にしたのは日が変わり、第一発見者として警察の事情聴取を終え、私の気持ちが落ち着きを取り戻し、車を運転出来るくらいになってからでした…

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あきゅろす。
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