誰かに聞いた怖い話
・・・ミステリーツアー8
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月明かりに照らし出されたその身体には、あるべき所に…あるべきモノが無かったんです…

その身体は大事そうに、胸に何かを抱えていました…



『…!』



…私の薄れてゆく意識の中で、最後に覚えているのは…

…その胸に、大事そうに抱えられていた血だらけの生首でした…

その顔は、苦しそうに歪み…唇の端からツツーッと…赤い血の筋が一筋流れていました…

そして、カッ…と見開かれた蒼い瞳と…

生前はとても美しかったであろう金髪の、長い巻き毛がほつれて頬に纏わりついている様は、凄惨の一言に尽きました…

…そして、その唇が開き何やら言葉らしきものが…口からガボッ、ゴボゴボッ…と吹き出す鮮血と共に発せられたが…私には理解出来ませんでした…





私が再び目を覚ましたのは、激しくドアをノックされる音でだった…

私は昨日の事を思い出して、辺りを見回しましたが帳もおりたままで、別段変わった所はありませんでした…





漸く私がチェーンを外し鍵を開けた時、外には真っ青な顔をした友達が立っていました



『良かった!無事だったのね!』



『どうしたのよ?』



『添乗員さんが…添乗員さんがぁ……』

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あきゅろす。
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