誰かに聞いた怖い話
・・・真相7
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それからの私は、普段の行いの全てを男の子の様に振る舞っていました

それは単なる装いのみに止どまらず、学校の休み時間には男の子の好む運動をし、普段学校で話す言葉も男の子の様な言葉遣いに変え、毎日の本家での厳しい修行をも、男の子の様にこなしていたのです



その頃私は、その年頃の女の子の楽しみの全てを捨て去り、私の為に命を落とした兄の代わりをつとめ様と、必死に毎日を過ごしていたのでした



勿論それらは、本家の人に無理にやらされていたのでは有りません

私がそう言った道に自ら踏み入ったのは、遠縁の娘とは言え、自分のお腹を痛めた息子を亡くす原因となった私を、少しも責めず…いいえ、それどころか…むしろ私の無事を喜んでくれた義母の深い悲しみを、私の手で少しでも癒したい…癒してあげたい…そんな幼い感情からだったのです



けれども、その厳しい毎日に私が堪えられたのは、ひとえに死んだ兄と義母に対する…そう、贖罪の気持ちだけだったのでしょうか?



残念ながら、多感な時期を男の子として暮らした私には、良く理解出来ませんでしたが…私は子供心ながらに、私を慈しんでくれた義兄に、特別な感情を抱いていたのかも知れません…

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