誰かに聞いた怖い話
・・・真相3
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この時になって、私は漸く気付いたのです
あの世の住人の私の兄と、此の世の住人の私の友人達が、お互いの存在を認識しているらしいと言う事に…
そしてそれは今迄の話の様に、決して有り得ない話では無かったのですが…
『そうだな…彼奴がこっちに向かって来ているみたいだし…俺達の事に気付かずに、一度は此所を通り過ぎてしまったけれど…もう、そこら辺迄、引き返して来ているみたいだ』
『うん…でも凄い土砂降りだから、僕達の事を見つけるには、もう少し時間が必要みたいだね』
『まぁ、お前の弟にしちゃあ、良く出来た奴だよ…お前と違ってな』
『そうだね…』
『ねぇ…僕達に出来る事は、もう此で終わりなのかな?』
旅行好きな彼は車好きな彼の一言に笑いながら、私の方を向いて尋ね掛けて来たのです
『?』
いいえ、それは私に対する問い掛けではありませんでした
彼のその問い掛けは、私の前に立って居た私の兄に向けた言葉だったのです
『そうだね…これ迄有り難う…』
『大丈夫!きっと間に合うよ』
『そうですか…これで…お別れなんですね…』
私の兄の返答に、旅行好きな彼は一言悲しげに呟いたのです
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