誰かに聞いた怖い話
・・・消えた理由4
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…彼奴が…死んだ?
…誰の話なんだろう…
…私の知ってる誰かなのか?
…それとも…
…彼奴って、誰の事?
『ねぇ…誰が死んだんだよ?』
『私にも教えてくれよ』
彼等の重苦しい話に、一旦は口を挟まず黙って聞こうとしていた私でしたが、頭にむくむくと湧き上がる嫌な想像を抑える切る事は出来ずに、私は短い沈黙を破り再び彼等に問い掛けていたのです
『ところで…君の弟はどうしてるの?』
『大分ショックを受けていた様子だけど…元気になった?』
病院長の息子は、再度尋ね掛けた私の問い掛けには何の反応も見せずに、暗い顔をし俯いたサーファーの彼に尋ね掛けたのでした
そして彼は、その自分への質問にも全く顔をあげずに、小さな声で答えたのです
少しは落ち着いたみたいだよと…
その二人のやり取りで、私は一番懸念していた人物の無事を知ったのです
けれどもそれは、新たな疑問を私に投げ掛けました
私の知ってる人物であり、しかも今の此の時此の場に居らず、更に私達と行動を共にする人物…
私は私の知り合いに、そんな人間を見出す事は出来ませんでした
私の知り合いには、居なかったのです
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