誰かに聞いた怖い話
・・・心残り3
.
…まさかこれって…



…いいや!そんな事は無い筈だよ…



…でも、どう考えても、これって別れの挨拶…それも単なる別れでは無く…永遠の別れの言葉…



私には何が何やら分かりませんでした



私の思考は、その疑問に支配され…他の事を考える余裕すら無かったのです





『でも…何で彼奴が…本当に良い奴だったのに…』



『そうだよね…僕達はほんのかすり傷だけで済んだのに…何故彼奴だけが…』



『本当だぜ…まだ悪い夢を見ているみたいだよ…』



『本当にそうだよね…遅れてごめん…って、少し済まなそうな表情をしながら…そこの席の所に立って…僕達に頭を下げている姿が浮かんで来て仕方が無いよ』



『でも…彼奴は居なくなっちまったんだな…俺達の住む世界には…』



『今頃どうしてるのかな?』



『もし…もしも…』



『ん?どうしたんだよ?』

不思議そうな顔をして聞き返したのは、サーファーの彼でした



『うん…もしもだよ…あの晩、僕達が一晩語り合った話の一つの様に…彼奴が別の世界で存在して居るのなら…もう一度逢う事が出来るのかな?』

そう呟いたのは、病院長の息子の彼でした

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あきゅろす。
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