誰かに聞いた怖い話
・・・穏やかな海3
.
『どう思うって…何が?』

旅行好きな彼は不思議そうな顔をして、視線を合わせたサーファーの彼に尋ねたのです



『だからさぁ、幽霊って水辺とかで目撃される事が多いだろう?』

『亡者…死んだ人の帰る場所って…もしかしたら海の底だったりしてな…』

『さっき話した事件だって、何とか逃れられた生徒や彼女達を助けに飛び込んだ教師達によって、その亡霊の姿を目撃されているんだし…古井戸や川辺での目撃談も多いし…海の底に生きる生物の事なんて…俺達人間は殆ど知らないも同然じゃん…だから、地上の人間達が馬鹿な事を続けている内に、いつの間にかに此の地上を奴等に占領されていた…何てな』

彼はそう言って笑ったのです

少し蒼白い顔色をして…



『まぁ…確かに人間が知ってる世界は狭く僅かで、深海に何が居るのか良くは知らないよね…人間が進化するか…科学力が格段に進歩して、人間が海中を自由自在に動き回れる…そんな日が来る迄は秘密って訳さ』

彼は淋しそうに呟いたのです



深海の闇の世界は確かに存在します

その現実の深海の闇の世界と同じ様に、此の世と同時にあの世は存在しているのでしょうか?

私達がたまに迷い込む世界とは…

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あきゅろす。
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