誰かに聞いた怖い話
パーキングエリア3
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男は俺達の近くに来ると…にっ…と笑って手にしたものを振り上げ…
自分の肩を叩きながら軽食コーナーの中に入って行った
男の手にしていたものとは、ゴシップ記事や妖艶なモデルのグラビアの載っている…いわゆる男性向けの大衆誌だった
男はブラックの缶コーヒーとカップヌードルを買うと、軽食コーナーの隅にある小さなテーブルに座った…
男はさっきの週刊誌を読んでいる…
週刊誌の陰になっていて、男の表情は残念ながら読み取れなかった…
ふと弟を見ると弟もその男が気になるようで、チラリ、チラリと盗み見ているようだ…
程なくして男はカップヌードルを食べ終えると、入り口の傍にまだ立って居た俺達に向かってこう言ったのだ!
『よぉ、あんちゃん達、あんまり此処に長居しねぇ方が良いぜ!』
俺達がその言葉の意味を判らず戸惑っている内に、男の乗ったトラックは既に走り始めていた…
『何だったんだ?』
俺と弟は顔を見合わせて困惑するばかりだった
この時に…あの男の言っている意味が判っていたら、あんな目には遭わなかったのに……
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