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彼のひるがえした言葉は、

電話が、鳴った。
もしもし、


真っ赤な受話器が玩具みたいだと
玩具からきこえるのはやっぱり玩具みたいなノイズだと思った
僕はにやにやとわらう
しくしくと痛いしんぞうで
にやにやとわらう
彼にあいさつをしようと、して

なのに
おもちゃから
きこえたこえが
ぶつかって
ひびく
もしもし、もしもし、もしもしもしもし、もし、もしもし、もしもしもしもしもしもしもしもし、
ぶつかって
ひびく
紛れもない、彼の声。
もしもし、





追伸

鳴る電話で僕が思い出したのは彼であってだけど僕が今でも彼を忘れていられるのはやっぱり彼がくれたのは彼の一部だからなんだこんな簡単なことさえ誰も理解してくれないのはきっと、
だれも彼を捕られたくないからなんだろう

傷は深いんだ



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