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乙女座のキミ



私の隣の席の男の子、未季くんは
本をよく読んでいる。
クラスでもあまり目立たない感じ
の男の子だ。

そして実は
わたしの想い人だったりする。

彼は普段あまりしゃべらないが
慣れたら普通に話ができるように
なって、たまに話しかけてくれるのが
嬉しくて気付けば好きになっていた。



今日の授業は先生の出張で自習。
かといって勉強するひとはいない。


未季くんはというと
いつもは本を読んでいるのに
今日はぼーっとしている。

「未季くん?」
「…え?あ、うん」
「珍しいね、今日は本読まないの?」
「今日は忘れた。
射水さんは占いみてるの?」
「うん、未季くんも見る?」
「みる」

未季くんからは意外な答えが
返ってきた。
てっきりいいって言うと思ってた。


「こういうのみるの初めてだ」
「男の子はあんまみないもんね」
「なんかすごいね。射水さんなに座?」
「わたし魚座」
「魚座か。
俺と相性いいみたいだよ」
「え?どれ?」
「ほら、魚座と乙女座」
「あ、ほんとだ-」


私はさりげなく
(未季くん乙女座なんだ-)
なんて思いながら
並べられた文字をみていた。


そんななか未季くんが口を開く。

「正直さ、俺が乙女座で面白いとか
いま少なからず思ったでしょ」
「面白いとは思ってないよ。
なんかかわいいなぁと。えへへ」
「……」

そう言うと未季くんは
頬をうっすら染めてわたしを見た。

そんな照れなくても。
かわいいなぁ。


「…射水さん、
前々から言おうと
思ってたんだけどさ…」
「なぁに?」
「好き。すごく好き」

彼は笑顔でサラッと言ってのける。
わたしはそれについ
ときめいてしまった。
ほんとになんで
こんなに可愛いんだよ。
うらやましいじゃないか。

「だから付き合ってほしいなぁ。
ちなみに拒否権はありません」
「ないのに聞くんですか」
「一応建て前として。
あ、もしかして俺のこときらい?」
「いっいや………全然、逆にす…すす」
「じゃあ、決定ね。
ほんと射水さんてば可愛いなぁ。
じつは主成分砂糖でしょ」

いやいや…君の方が
断然かわいいんですけど。
主成分砂糖って
なんてファンタジックな発言



「ひろ。」
「はっはい!?」
「はは、かわい」




(発言がなぜか
乙女チックにきこえます)




あきゅろす。
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