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グッバイ、恋心


三月下旬。
雪は溶けきらず
まだ寒々しい風が吹いている。
新しい季節が顔を見せる気配はないが
とうとうこの日はやってきた。

「お別れ…だね」
「そうだな…」

わたしと悠樹は別れる事を決めた。
理由は悠樹が親さんの都合で
遠方に引っ越す為。

会えないのならいっそのこと
別れてしまおうと2人で決めたのだ

私は悠樹が好きで
悠樹は私が好き。
だからこその結果。


「最後にひとつだけお願い」
「なに?」
「幸せになって」
「…悠樹もね」

そういって悠樹は私に唇を落とした。

「ゆき、大好きだよ」

涙は見せない。
そう決めた。
だから私は、今できる
精一杯の笑顔で悠樹を見送った。


「私も大好きだよ」





(さよなら、世界一愛しい人。)


そして私は涙の海に溺れる。





あきゅろす。
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