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世界と私
019.全て勘違い






 『お兄様、私なにかお兄様の気を
 損ねるようなこと、いたしました
 でしょうか??』

 「え……」




 あれから悩んで悩んで出した結果
 、本人に直接聞くという答えが出
 た。食事中にそう話を切り出すと
 お兄様は掴んでいた梅干しを箸か
 らぽろりと落とした。(あ)




 「な、なにを言うのですかいきな
 り…」

 『最近お兄様の様子がおかしいの
 で…』




 そう言うとお兄様はびくう!!と背
 中をあげた。何をびっくりしてい
 るのですか全く…。…なにか隠し
 てますね、絶対。妹の私に分から
 ないとでもお思いですか。私は持
 っていた箸とお茶碗をおいてお兄
 様をじっと見た。



 『お兄様、私お兄様が心配なので
 す。』

 一体なにがあったのですか、そう
 聞くとお兄様はしぶしぶと口を開
 いた。







 『私が耀さんに恋心!?』



 何の話です、それと言うとお兄様
 は「この前出掛けた時のあなたが
 とてもきらきらしていたものなの
 で…」と力のない返事をした。




 なにを勘違いしているのでしょう
 このお人は。




 『お兄様、それは勘違いです。私
 は別にそのような目で耀さんを見
 ていた訳ではありません…』

 「本当ですか……?」

 『本当です。今まで私がお兄様に
 嘘を吐いたことが一度でもありま
 したか』

 「ありません…ね」



 お兄様はふ、と笑った。



 何を隠しているのかと思えばそん
 な事。でも良かったです。これで
 少しはお兄様ももとにもどるはず
 でしょう。






 勘違いもほどほどに




 (全く、いい迷惑です)

 (実にすみません…)

 (…私はお兄様のお側を)
 (離れる気はありませんから)





 *0826*

 しょぼんとしている
 にっさまは神








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あきゅろす。
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