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世界と私
018.原因不明










 「まあ名前さんの兄様が…」

 『ええ…、ここらへん元気がな
 いのです…私心配で…』

 「そうですね…それは心配です」


 今日はバッシュさんのお家にお
 邪魔している。最近お兄様の様
 子がおかしいので相談しにきた
 のだ。リヒテンちゃんがいれて
 くれた紅茶を一口、口にしてか
 らまた口を開く。


 『バッシュさんはお兄様と仲が
 宜しいようなので…バッシュさ
 んが何か知らないかと思いまし
 て…』

 「だそうです兄様」

 「う、うむ…」

 『何か聞いてませんですか』


 そう聞くとバッシュさんはうー
 んうーんと唸り始めた。お兄様
 はしっかり者のバッシュさんを
 よく頼っていらっしゃるから、
 もしかしたらと思ったのですが
 …。

 だって最近のお兄様は本当にお
 かしい。(前から少し変わって
 た人ではあったが)よく眠れな
 いのか、目の下には凄いくまが
 あって寝癖はつけっぱなし。塩
 鮭には塩と間違えて砂糖を入れ
 ていた。(でもそれを何事もな

 かったように食べていた)何か

 あったのかもしれない。いや、
 絶対何かあるはずなんだ…



 「すまない、何も心当たりがな
 い……のである…」

 『そうですか…いえ、お気にな
 さらず』

 「しかしだな、その…」

 『はい?』

 「貴様が中国の奴と出掛けてい
 った事を、菊は相当心配してい
 た事は覚えているのだ…」

 『耀さんと…私、が』




 原因は私?







 (有難う御座いました)
 (バッシュさん)

 (い、いや…)

 (名前さん、)
 (紅茶のおかわりは如何?)

 (いえ…今日はもう)
 (失礼いたします)





 *0824*









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あきゅろす。
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