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僕らの秘密

なお兄さぁ」


妹の亜梨沙は最近の女子中学生だ。まつ毛は人工のものが張り付いている。



そんなことしなくても、亜梨沙は十分綺麗な顔なのに。



なぁに?と僕は妹に返事をした。



「彼女、出来た?キスマークついてるんですけど」


やるねぇ、なお兄のくせにー


首元を指差してクスクス笑う妹。


僕は思わず首元を隠した。油断してた…



「なぁんか〜なお兄が女抱いてるとか想像できない。細いし、平凡だし、勉強バカだし」



妹は取り柄のない僕を情けなく思っているだろう。


小さい頃言われた。
ひろ兄だけでよかったのにと。



本当にそう思うよ。どうして僕はここにいるんだろうか。




「ねぇ、どんな子?写メないの?」


あるわけない。この犯人は兄さんなのに。


「いえ。なお兄のくせにあたしに隠し事なんて生意気!!」



亜梨沙はクッションを僕の顔面に投げつけた。ひどい。



「いいもん、ひろ兄にいいつけてやるから」


そういって妹は部屋に入っていった。



はぁ、と一言ため息をつく。


僕にとっても亜梨沙にとっても兄さんは絶対的な権力者だ。


唇を指でなぞる。
そこに自分の舌を絡める。

あぁ、兄さんが帰ってくるのはあと数時間後。



後数時間後で僕は体の中まで兄さんに支配されるんだ。




そのとき、僕の携帯が鳴った。



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