リク部屋
1
持続し続けることは、何よりも難しい。壊すことは呆気ないくらい簡単だ。
「おはよー、竹地、三井。」
高校1年が後半になった頃には、俺と竹地と平原くん3人でつるむようになった。
「なぁなぁ竹地、俺さ、見たい映画あんだよ。週末見に行こうぜ」
とにかく、平原くんが竹地にべったりなのだ。俺は、あぁやっぱりと思っていた。竹地は高校でも人気だ。中学の頃のように何かを率先してやることはないが、逞しく成長している竹地に憧れをもつ人は多い。
なにより、平原くんも顔がいいから2人そろうとそれはそれはみんなの視線が痛い。
平凡な俺はすごく居心地が良くない。
「なんでお前といかなきゃなわけ。いくわけねぇだろ」
「えー、じゃあ三井付き合って。週末空いてるだろ?」
「え?」
空いてる。部活もしてないし、予定があってもそれはどうせ竹地絡みだ。
「ダメだ。」
「えーなんで竹地が言うんだよ。いいでしょ、三井。一人じゃ寂しいし。」
うんっていいたいが、竹地がギリギリと睨む。断れと目がいっている。
けれど断って竹地と週末を過ごしたくない。
「う、うん。いいよ。」
平原くんが俺を誘うのは、俺が行くと言えば必ず竹地がついてくるからだ。
俺は竹地の付属品。
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