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リク部屋
2
「おはよう、待井」



教室につけば話しかけてくるのは金村真二。派手な容姿の彼を地味な僕は苦手としていた。



彼は何かと僕にかまう。周りは最初は不思議な目で見ていたが、いまだにクラスに馴染むことのない僕に気を使っているんだと黙認した。




「金村くん…お、おは、」



「なぁ、知ってるか?」



話しかけるわりには僕の話はあまりきこうとしない。



「今日、転校生がくるんだって!」



そんなことを彼は目を輝かせて僕を見つめる。転校生でそんなに盛り上がれるなんて、小学生みたいだ。




ふと黙った金井を見上げた。いつもの陽気な顔ではなく、妖しく笑う彼がいた。僕は彼が少し怖い。





転校生が来ようが、僕の生活に影響を及ぼすことはないだろう。たとえ、周りにはあっても、だ。




なんの起伏もなく、ひっそりと僕は生きてきた。いじめを受ける対象にすらならないくらいに空気のように。




注目を受けることが怖くて。





誰かに見られることが怖くて。





今までで授業中手すらあげれなくて。





なぜかそうしなければならないという観念に僕はとらわれていた気がした。






(転校生、か)





なにかを、変えてくれるだろうか。僕の、全てを変えてしまうような。どこかで、そんなことを望む自分がいた。






そして、僕はこんなことを考えていた自分を殺してしまいたい。

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あきゅろす。
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