リク部屋 4 我慢は出来る。 だが、出遅れることは許されない。 「…ハチせんぱい?」 「んあ?」 昼間に珍しい人を発見してしまった。けれど、胸が高まる。嬉しい。 「なぁんだ、南樹か。学校ね〜お坊っちゃま」 「茶化さないでくださいよ」 有名私立高校の制服に身を包んだ俺は、ラフな格好のハチせんぱいの隣にたつ。ハチせんぱいは少しだけ俺より伸長が高い。色の薄い瞳はきれいだ。ハチせんぱいは昔はまるで女の子のように愛らしかったらしい。 「なにしてるんすか?」 「ん〜刀知に服かってあげよと思って。」 幸せな気分が台無しだ。玩具の服選びか。 「俺も一緒していっすか?」 「やだよ、かつあげしてるみてぇに見られんじゃん。はやく帰れよ」 こっちをみずに言われた言葉に割りと傷ついた。こんな制服破り捨ててやりたい。 「はっ嘘嘘!そんな顔すんなよ、おいで」 まるで犬だと揶揄されても仕方ない。尻尾があるなら俺はブンブン振っている。この人の言葉で俺は一喜一憂する。罪な人だ。 「お前に話したいこともあるしな」 話したいこと? 嬉しい。嬉しい。嬉しい。なんだろう、ハチせんぱい。 「お前に、チーム譲ろうかと思って」 [*前へ][次へ#] [戻る] |