[通常モード] [URL送信]

リク部屋
6
お兄ちゃんのところに行くのは嫌だ。まわりにいる人たちが怖いのもある。



「光、今日は誰としゃべった?」



お兄ちゃんの膝の上にのせられ、顎を捕まれる。視線だけが逃れることをゆるされた。




「え、と、」




「光」



チュッと額にキスをされた。お兄ちゃんの瞳が僕をとらえる。




「お兄ちゃんは心配なんだ。お前は可愛いから、変なやつに絡まれないか」



「ん」




「お兄ちゃんのいうこと、聞けるよな?」



「ん」




「じゃあ、光、キスして」



お兄ちゃんのスキンシップは昔から異常だ。束縛も。美しい顔立ちの兄に対し、ただ平凡な僕なんかになぜ?その中で育った僕には抵抗する術を知らない。





(一生、このまま、)






ふと、ある男を思い出した。







歪んだ口がすべてを飲み込もうと巧みな言葉で誘う。





(きっと、同じだ。同じ。お兄ちゃんと、同じ。僕を、)
















「同じじゃないよ?」






手足を縛られ拘束された場所に見覚えはない。ただ、そこにいる人間たちには見覚えがある。





「よう、安藤」



「あの日以来だな、今日は逃げらんないぜ。いや、今日から、か」



「あ、この前ティッシュあんがとな!あれ、すげぇ柔らかくて全然鼻赤くなんねぇの!」











「俺たちは、お前を囲うことで満足しない。お前はね、ペットなわけ。可愛い可愛い俺たちの、」









お兄ちゃんみたいに、優しくないよ?

[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
無料HPエムペ!