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リク部屋
5
「そんなにびくつかないでよ。ね?」





安藤はちらりとも俺を見ようとしない。それはいつものことだから構わない。今は。






「お友だちになりたいだけだよ。黒薔薇の総長の弟くん」




びくり、といっそう肩が震えた。安藤の兄が黒薔薇というデカイチームの総長の弟だというのは知られない秘密。そしてその弟が溺愛されていることも。




この事実を知ったのは、安藤を見つけた後のこと。たまたま黒薔薇領域に足を入れたときに安藤を見かけたのだ。こうみえても、記憶力はズバ抜けていい。全校生徒の顔を記憶している。





「あ、の、ぼ、ぼく…帰りたい、」





「ん〜?どうしよっかな」




安藤がぶるぶる震えながら携帯を握りしめている。それは先程からなんども点滅を繰返し、携帯にたいして何らかのアクションがあっていることを物語っていた。そして、それが誰なのか予測はついている。




「おにいちゃんに、怒られる?」




「っ」




「いいよ。バイバイ。また明日ね。」





俺はそういって安藤を逃がしてあげた。









(あぁ…飼いたい)



無性に自分のツボにはまるのだ。






けれど、黒薔薇はあまりにでかい。俺一人じゃ無理だ。奪えない。




だが、あいつらが一緒なら強固な檻となることが出来るだろう。



(絶対…気に入る)






似た者同士の俺たち。
きっと、気に入る。









「玄馬、何にやついてんだ」




「ん?彰か〜別にぃ」









飼うのは君だよ。

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あきゅろす。
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