短編
B
全身の血の気が引いていく。
体はガクガクとゆれ立っていることすら出来ない。そんな僕を河島が後ろから優しく抱き締めた。
「センパイセンパイ。どぉ?刺激的?」
僕は昨日河島にいった。別れようと。お前は刺激が足りない。ただひたすら優しいセックス。命令を聞くだけのお前。つまんない。
すると河島はにこにこしていた顔をなんの表情もない真顔へと変えた。
『んーんーせんぱいせんぱいんじゃあーえっと、えっと〜』
ぶつぶつと呟く河島はひどく怖い。
逃げ出したいが腕を捕まれ出来ない。
『おいっ河島っ』
『せんぱいはぁ原石せんぱいとのえっちが好きなんだよねぇ』
『え』
『せんぱいせんぱい俺知ってるよ?せんぱいがー原石せんぱいと―えっちしてるの。でもね、でもでもせんぱいは俺の恋人だから、えっちが好きなせんぱいは気まぐれで遊んでるのかなーって。俺ってせんぱい大好きだからね。そんなすぐに怒ったりしないよ。大丈夫大丈夫。』
ぺらぺらはなす河島の言葉がうまく頭のなかに入ってこない。
『でもそろそろ限界かなーって思ってたんだぁ。だってえっちするのもなにするのもそれは恋人の特権でしょ?せんぱいは俺のだからね。』
微笑む河島は怖い。
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