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僕は君に二度恋をする 5


「政宗様?」

「あっ、ああ…すまねぇ。…で、武田のオッサンの用向きはなんだ」


政宗は、漸く視線を戻して、武田の遣いで来たと言う男と向き合う


「わざわざお時間頂いてすみませんね。俺は武田軍、真田忍隊の猿飛佐助。今回はこの書状を」


そう言って、佐助と名乗った忍びから書状を小十郎を介して受け取る。

中を見れば同盟の要請


「小十郎、どう思う?」


政宗は、小十郎に書状を渡して、その佐助を見つめる。

佐助と目が合い、慌てて反らした。


胸が高鳴る
ぞくぞくと体の奥深くで蠢く何か


「武田の忍び、…猿飛だったか、書状の返答は明日でも良いか?俺は少し、てめーに聞きたい事がある。…いいか?小十郎」

「はい。」

「じゃ、悪ィがちょっとコイツと話しがしてぇ。なんかあったら直ぐ呼ぶが、同盟要請国の主に危険はねぇよな?」

「そりゃ勿論。大切なお方ですから」


その茶化す様な物言いにすらドキリとするのを、政宗はなんとか取り繕い、自分の私室近くの庭に佐助を連れ出した。


「なあお前…」



忘…れて…政…宗
忘…れない…で…政宗



佐助の顔を見据えながら言葉を発する政宗の脳裏に浮かぶ言葉


大…好き…だ…よ
忘れ…ない…で


「……Do´nt forget…忘れられる訳ねぇだろ…馬鹿…野郎」


佐助の指先が、政宗の頬に触れる


「あったかい涙だね……ごめん政宗……やっぱり……アンタじゃなきゃダメだった…政宗じゃなきゃ……嫌。」


佐助はギュウギュウと政宗を抱きしめて天を仰ぐ


「神様仏様、龍神様、片倉様…政宗を下さい。他に何にも要らないから…。俺が政宗を愛する事を許して下さい……」

「……んで小十郎なんだよ……」

「神様仏様に等しい訳よ、俺様からしたらさ、政宗が欲しいから。……お願い」


政宗も佐助の痩躯な体を抱き締め返す。


「ねぇ政宗…知ってた?…俺様ずっと…前から政宗に恋してた。戦場で見かけてからずっと…ね。だから俺が記憶無くしても、また政宗に恋した。…忘れようとして、離れて、また政宗に恋した。だからさ…もう愛になった、って思うの。」

「…んだけ恋すりゃとっくの昔に愛だろ」


スンと鼻を啜りながら素っ気なく呟く政宗の手には力が入っていて。

佐助は嬉しそうに笑って、政宗に口づけた。





終わり

結局両想い(笑)
なんかね、悲恋とか好きですがなんかね、幸せが好きです(笑)
20090821
mimic

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あきゅろす。
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