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僕は君に二度恋をする 3 ※微裏有


「さーすけ」

「やあ政宗、待ってたよ。お帰りなさい」


佐助は、息を弾ませて帰ってきた政宗を抱き締める

柔らかい髪
政宗の薫り

愛しくて切ない


「痛ぇよ佐助」

「ん……」


思い出したら傍には居られない
だって俺は

忍び

だから


佐助は更に政宗を強く抱き締めて頬に、顔に、耳に口づける


「佐助…?」

「お願い政宗……逃げないで……」


佐助の言葉に、政宗の体が強張る


「行くなよ」

「政宗……俺は」

「うるせぇ黙れっ!shauto up!!」

「……ごめん……独眼竜…」

「っ…俺は……」


佐助は、抱き締めたまま頬を片手で捉えると、泣きそうな政宗の瞳に口づける


「………愛してた……ホント……このまま……一緒に居たいっ…」

「居ろよ!行くなよ馬鹿野郎」


背中に食い込む竜の爪
細くて綺麗な指先に籠もる政宗の爪


「……っ…このまま竜に喰われたい……、死んじゃいたいよ……政宗…」

「……ああ……喰ってやるよ……だからお前も俺を喰えよ……佐助……」


何時の間に

こんなに浸食して居たのか


お互いの存在が無いと


息も出来ない





佐助は、政宗の体を畳に寝かせるとゆっくりと覆い被さり唇を重ねた

何がどうなろうとも


政宗を抱きたかった








甘い吐息

受け入れた事の無い其処は、頑なに佐助を拒んだが、時間をかけて体を繋げた。

「痛い?」

「痛く…な…い」


玉の様な汗を体中に浮かべる政宗に、佐助はクスリと微笑む


「嬉しい…大好き政宗…」


愛しくて
同時に哀しくて

佐助は何度も自分を刻み込む様に政宗を抱き締めた










つづく
20090819

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