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ほっとけねぇんだよ!A※微


暫く走り、着いた先は生い茂る緑の中、澄んだ水が仄かな湯気を立てていた



「此処か?」


「ああ、そのようだな」



そう言って馬から降りると、家康は馬を繋ぎ、湯に手を差し入れる

澄んだお湯は柔らかく、僅かに温めであったが、夏場には良いだろうと政宗の方へ振り向いた



「温めだがなかなか…!っお、なっ」


「AH?何だよ?お前も早く脱げよ」



振り向いたとき政宗は既に着物を脱いでいて。なんの躊躇もなく裸体を晒していた


それは間違いではない
男同士何も憚るものはない

だがそれは、当たり前であると同時に、家康の胸は痛む

何とも思っていない

それは確定的な事となる。




「わっ!」



背中に浴びた温かい湯に飛び上がる
振り向けば、湯船に浸かり、お湯を家康目掛けて笑いながら投げる政宗が居た



「酷いな、濡れてしまったぞ」


「お前が遅いからだろ?早く来いよ」



そう言って背中を向けた政宗に、家康は胸を撫でおろしながら衣服を脱ぎ、たたんで木陰に置いた

ゆっくり湯を掬い、体を流すと湯船に浸かる



「んー、気持ちよいなこれは…」

「だろ?此処は今んトコ俺とお前しか入ってないんだぜ?此処から見るさ、空が好きなんだよ」




そう言って空を見上げる政宗に、家康は見とれてしまう

濡れた髪
上気した白い肌
長い睫毛

政宗の視線を追って空を見れば、雲と空の蒼と緑が絶妙に混ざり、それはひとつの絵画の様に綺麗だった




「なぁ家康」




ぼんやりと蝉の声や森の音を聞いて目を閉じていたら、不意に声をかけられた




「なんじゃっ…!?っつ独眼竜?ちちちっ近い!」




目を開けた先に、政宗の顔があって、思わず真っ赤に染まる顔を手で隠した。




「Haーn?お前何だよ?ンな真っ赤な顔して、発情期か?」


「ちょっ!なっ…っ」


「oh…realy?」




からかう様に笑った政宗が、徐に家康の下半身に触れ、驚いた様に手を戻した
其処は言い逃れ出来ない程反応しきっていて、家康は顔を下げた

恥ずかしくて顔を上げられない
一瞬にして反応してしまった事や、政宗が好きで堪らない事、言いたい事も伝えたかった事も何も始まらない状態で、こんな体の反応を見たら政宗は軽蔑するだろう

そう思って唇を噛み締めていたら、頬を撫でられた。






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