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アキラの先生
第5話(1)
布団にくるまって、耳をすましていると病室の扉がゆっくり開いた。先生のメガネのフレームが月明かりに反射して光っていた。

「ずっと起きてたの?」
「うん」
先生が布団をめくるとアキラはひざを折り曲げた。
「どうしたんだい?」
「う……」
閉じた足のあいだに先生の手が割ってはいる。内股を撫でながら足を開かせると、アキラの股間はぬれていた。

「ひとりでしてたんだね……」
「だって……ガマンできなくて」

今日で最後だと思うと、アキラの体はいつも以上に先生を求めてしまっていた。先生がいなくても先生に治療されるのを想像して、ひとりで性器をさわっていたのだ。
先生はアキラの上に覆いかぶさり、パジャマをまくり上げた。小さな突起に吸い付き、丁寧に舌先で転がす。
「んぅ……」
「ここも熱くなってるね」
女の子でもないのに胸をさわられて気持ちいいなんて、先生に治療されなければ一生気づかなかったことだ。


「先生、早く……」
「もう注射してほしいの?」
先生はさっき来たばかりだけど、アキラは受け入れる準備はできてるつもりだった。注射を待つ時間もおしくて、自分でそれをほぐしていたのだ。先生は入り口に指を持っていった。アナルは指をすぐに飲み込んでしまう。

「こんなにして……ヒクついてる」

「すぐ入れても大丈夫なように……自分でシてたの」


なにか大切なものをみるような先生の目が自分に向けられているのが嬉しかった。アキラは起き上がると、先生のズボンのジッパーを下げる。

「僕が大きくしてもいいよね?」
「ああ……いいよ」
平常時でも大きいそれはアキラの小さな口にうまくおさまらない。アキラは性器の先にキスをして、それから舌先で側面を舐めていった。ここは、一番先生の香りがする場所だからアキラはここが好きだった。

先生の右手はアキラの尻をなで、入り口に指が入った。一本入れて、もう一本入れる。キュウウっと先生の指を締め付けて離さなかった。アキラがわざとそうしているわけではないのだが。

「せんせ……大きく、なってる……」
大きくそそり立ったものを口に含むのは無理そうだった。でもアキラは口を大きく開けてのどの奥までそれを突っ込む。それだけでも苦しいので愛撫する余裕はなかった。

「んっ……っは、んく……」
先生のを口にふくみ、先生に後ろをいじられながら自分の性器を上下にゆっくり擦った。自分のも年とともに大きくなるんだろうか。こんな貧弱な体でも先生みたいに手足がすらっと伸びて、かっこよくなれるのだろうか。とても想像できない。

だからこそ、先生を好きな気持ちは膨らんでいく一方だった。


「好き……だよ」


性器から口を離し、アキラはゆっくりつぶやいた。
アナルを攻めていた先生の手がとまり、くちゅくちゅとアナルから聞こえていた音もやんだ。
「せんせ……ひゃっ!」
顔を見ようとしたら両足をつかまれてひっくり返る。足を大きく広げた格好になった。

――好きって、初めて言ったかも。

足を広げられたことより、自分の行動のほうが驚いた。ずっと先生の気持ちを聞くのが怖かった。言ってしまったら、拒絶される気がして。だって、先生はアキラとの治療が好きなのだ。アキラ自身を好きなのとはたぶん違うと思う。


先生の先っぽが入り口にふれた。

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