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空色デイズ
こんなにも空は青くて、こんなにも風は心地よいのに。
貴方の心だけが曇り模様。


身体一つ分空いた隣からは止むことの無い嗚咽がかれこれもう数十分は続いていて、そんなに泣いてしまったら水分が全部出きって、身長も縮んで、そしたら見上げる位の身長差も少しは気にならなくなるかな、とかぼんやり思った。

いつもにこにこしている瞳も優しい言葉を紡いでくれる唇も、今は俯いて隠されている。

だからあんな男は貴方には似合わないと言ったのに。


「今回は本当に本気だったんだよ…」

「その台詞は二ヶ月前もここで聞いた様な気がしますが」

「…だから、今回こそは本気だったんだってば…」


ぽつぽつと話し始めたタカ丸さんの声は涙声で、目元を覆っているカーディガンの裾には完全にマスカラが付いてしまってるだろう。


タカ丸さんは可愛い。スタイルも良いし性格も良い。だからその辺の男共が放っておかない。けれど運が悪いのか男が悪いのかどうにも長く続かないらしい。

私だったら、私ならば、こんな風に泣かせたりしないのに。ずっと側に居てどんな相手からも守ってあげるのに。


「私、タカ丸さんが悲しんでいるのは見たくないです。」

「…いつも、格好悪いとこばっかでごめんね」

「それは構いません。」


どうぞ、とポケットティッシュを差し出せば、いつもより幼い顔でふにゃりと笑われた。

そうか、そうなんだ。


「分かりました。もうタカ丸さんが悲しまない方法が。」

「……綾部は優しいねぇ」

「タカ丸さんにだけですよ」

「うん、綾部は優しいよ」


精一杯の告白も伝わっているのかいないのか、きっとこの人にははっきり言わないと伝わらないんだろう。

ならば何回でも何十回でも言おう。


「私とお付き合いして下さい。」


ぽかんと口を開けたタカ丸さんの目元にキスをすると、何だかしょっぱくてとても愛しかった。


空色デイズ





 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
私のはっちゃけた日記に反応して下さった百合な綾タカをいなさんが形にしてくれました。
本当にありがとうございます。お腹いっぱいです。
だが、まだ入ります(爆)
マスカラとか女の子だよね…きゅんきゅんだよね!!
タカ丸の男運が悪かったのは、全て綾部と付き合う運命にあったからと妄想するだけで、たまらんです\(^o^)/
いなさん、ありがとうございました〜☆


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