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あーッ!!出たーッ!今年も出てきたあーっ!もうヤダ!ほんっとヤダ!無理無理無理!浦原ーっ!浦原ーっ!てめえシカトぶっこいてんじゃねーよ!エロ閣下!エロ閣下あああっ!!!


「なんスかもう…うるっさいなあ…」

寝起きであちこちに跳ねた髪の毛を片手で梳きながら部屋から出る。
明け方に実験が終わって床に就いたのはつい先程。それなのに大声出されて夢の淵から強制的に叩き起こされた浦原の機嫌は少し斜めに下がった。

「来い!すぐに来い!そしてハイ!これ持て!」
「は?」

ポンと手渡されたのは棒状に丸まった新聞紙。
寝間着姿の浦原の腕を取って足早に廊下を歩く一護と、手渡された新聞紙を交互に見ながら浦原はハテ?と小首を傾げた。
連れて来られたのは台所。テッサイの城とも言えるこの場所に何故己が連れて来られたのか。しかも丸まった新聞紙付き。ますます分らない。

「あのお…黒崎サン?一体、なんなの?」
「しっ!黙ってろ!」

えー。眠りを妨げられた上にこの扱いかよ。
眉間に皺を寄せた所で流し場と冷蔵庫の近くに何か動く物が一瞬、見えた。

「いた!!いた!浦原!任せた!」
「はっ?だから、なに!?」
「名前も呼びたくねー!!アイツだよあい、…ぎゃあ!出た!気色悪い!早く!おねが、早くっ浦原!」
「…黒崎サン。今の台詞もうちょっと色っぽく。出来れば頬を染めながら」
「ざけんなコロスぞ。」
「いきなり真顔になるの止めてくれませんか?怖いんでっ!」
「いーから早くしろっての!!」

見上げながら睨む。浦原も負けじと見下げながら睨む。

「あれ。退治しろ浦原」
「ホウ、それが人様に物を頼む時の態度ってもんスか?黒崎サン」
「お願いします!」
「折れるの早いなあ……えー。嫌っすよ。大体、たかがゴキちゃんでしょう。あなた男の子でしょうよ」
「ひ、人に頭下げさせておいてこの扱い!外道かお前!」
「いや…いつ頭下げましたよあんた…」
「人には向き不向きってのがあるんだ!俺はアレだけはぜっっったいにダメなの受付ねーの圏外なの!」
「圏外ってなにさ。」
「だから早く。ゴー!浦原!」
「犬かアタシは」
「って、あーっ!!!」
「っ!!なん、スか今度は!!」
「い、ない…だと?……うう、う、浦原!てめえがもたもたもた子ちゃんしてっから奴が逃げただろうが!!」
「もた子ってなに?ってか逃げたってよりかどっかに隠れたんじゃ…また出てきますって」
「出てきたら困るから退治しろっつってんだろうが。人の話し聞いてなかったのかてめえ」
「…なんでアタシこんな扱い受けてんだろう……あーあ!黒崎サンがちょう良い事してくれたらすぐにでも退治するのになあっ」
「よし分った。歯ぁ食いしばれ」
「……聞いてました?アタシにとっての良い事!あなたにとってのじゃなく、アタシに!とっての!良い事!!」
「大丈夫。お前にとっても良い事だから」
「じゃあその拳握るのやめて。それと指鳴らさないで」

恐ろしい程の真顔で指をポキリゴキリ鳴らされても嬉しくもなんとも無い。後少し食い下がったら美味しい思いできるのかしら、脳内で計算している時近くでカサカサと僅かだが耳障りの悪い音が聞こえた。
そろり、二人同時に視線を下へと移す。
ひ、一護が小さく声を発した。

「ば、ば、」
「あ。出てきた。」
「卍、解っ!!!!!」
「マジか。ちょ、ま、あ!!黒、っ一護さん!だめ!それはストップ!わあッ!!アタシに刀むけない、ちょおおっ!!月牙はダメ!絶対!おい!斬月さん暴走しないで!ってなんで君まで出てくるんスか!!え?楽しそうだから?ちょ!!ストップストップ!!白君ストップ!!怒るでしかし!白くーん!一護さん目ぇ覚まして!きゃー!!」




その夜、暴走した一護と浦原は揃ってテッサイにこっぴどく怒られ台所の修理に精を出しましたとさ。




「ぎゃあ!!また出た!!」
「あっはっは、黒崎サン、まずはソレ置いて。ね、ソレ置いて。包丁置いて!!!」














Gがダメな一護君。意外に都会っ子設定MOE。





あきゅろす。
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