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きゃー!さむーい!
じゃあぎゅーってしたげるー!
きゃー!あったかーい!
キャイキャイワイワイ。女子高生達がバス停の前ではしゃいでいる。いいなあ若いって。そう思いながら一護、檜佐木、浦原に阿近、そして恋次はスターバックスのカフェテラスで小刻みに震えながらも珈琲を飲んでいた。

「…なあ。なんでこんな寒い日に、俺等、テラス?」

灰色のダウンジャケットに手を突っ込みながら一護は吹き付ける風に肩を竦める。

「喫煙席。ここ」

最低気温2度の現在。煙草を挟んだ指先は既に温度がなくなっている。修兵は震えながらバス停前を見る。

「わー。若いっていーなー……畜生、寒い」

黒いマフラーで口元を覆いながら恋次が呟く。
二つの丸いテーブルをくっつけあい、椅子を5脚持ってきても誰も気にしない。寧ろこの寒空の下、テラスを使用している客は一護達5人しかいないので比較的ガランと物寂しい空間を作り出している。
一護の前に阿近、隣に恋次。阿近の隣に修兵、そして所謂お誕生席に座るのが浦原だ。

「阿近さん、それ…なに?」

注文したホワイトモカを飲みながら前の阿近に聞く。少し考えた素振りで阿近は一口飲み「ドリップ」と答えた。

「つーか………冷めるの早い!もう温くなってんですけど!これ!」

一本吸い終わり、一口飲んだ所で修兵がぎゃーすと騒ぎ始めた。そりゃあそうだ。只今の気温は2度でも限りなく1度に近い寒さだ。吹き付ける風も強く、このままでは身体中の体温が奪われていっても可笑しくない。ホットコーヒーが冷めるのも時間の問題だろう。

「あー…女子高生って良いっスねぇ。JKJK」
「阿近さん。あんたの親友が相当アレな事言ってっけど」
「黒崎、実はな。親友じゃねーんだアレ」

マジで?口元に手を持って来て驚きを隠せない一護に対し、阿近も無い眉毛を上げながら真剣に答える。

「いって!いって!浦原さん!それ、阿近さんの足じゃなくて俺の足ッ!!」

新しく買った煙草のパッケージのセロファンを解いてる途中で隣から足を踏まれる。ギチギチと唸る自身の足の痛みに堪えながら修兵は涙目で隣を見た。
笑ってる…。普段の甘いマスクを崩さず笑っているのに、人の足踏んでるこの人…。素直に恐ろしいと思った。
足の痛みと恐ろしいまでの笑顔に苦戦している修兵を他所に、バス停前の女子高生達はきゃっきゃうふふと騒いでいる。まるで寒さなんて感じていないみたいだ。

「世の中の女子高生は寒さなんて感じないのか?」
「ルキアちゃんに聞いてみろよロリコン」
「ちょっと待って下さい阿近さん。俺ぁ別にロリコンじゃねーんすけど?」

恋次の幼馴染のルキアは今年で高校2年生になる。ルキアが恋次に懐いているので、たまに街中で二人を見かけると修兵は決まって携帯のカメラで写真を撮り、他の三人に画像添付したメールを一斉送信するのだ。

「……犯罪だけは、やめとけよ…恋次…」
「おいこら一護この野郎どういう意味だこの野郎」

あまりの寒さに耐えかね、椅子の上に足を置き、どうにか身を縮ませる事で暖を取ろうとした一護の椅子を蹴る。
その間にも女子高生は互いの身体を抱き合いながらきゃっきゃと楽しげに笑っていた。

「あれで暖が取れるなら俺もやってるわ」
「黒崎、お前の親友が凍死しそうだ。抱き締めてやれ」
「なに…恋次、そんなに寒いのか?しょーがねーな俺でよければ抱き締めてやっよ!」

ボソリと呟いた言葉だったのに、阿近の地獄耳は拾い上げてとんでもない発言をし、悪ノリした一護が恋次に両手を広げて見せながら向き合う。やめろ、と叫ぶ前に隣からは足を強かに踏み潰された。

「いって!いって!いてええ!浦原、さん!足!足!俺の足!!めちゃ踏んでる!!」
「阿散井…安心しろ。俺も踏まれてる」
「あんたまだ踏まれてたのか!?」

向かいの席で修兵が得意げに(しかし目は涙で潤んでいた)親指を立てながら笑う。恋次はそれを見た後で浦原を見る。見た後で後悔した。
なにその笑顔……!
甘いはずなのに黒い。にこにこ笑っているのに瞳だけが笑っていない。なにこれ、超怖い。踏まれている痛みよりも断然、横にある笑顔の方が怖いと感じた。

「やだな一護さんってば。言ってくれたらアタシが抱き締め」
「いや。なんか浦原さん細ぇし冷たそうだから良いや」
「っ!!痛い痛い痛い!!一護、てめえ!ここは喜んでー!って胸に飛びこ、イタイイタイ!!」
「なあ阿近さん、場所交換しよーぜ」
「お前、足踏まれてるんだろ?動けないんだろ?諦めろ」

こうして午後の授業開始5分前までねばる大学生5人。





◆大学生パロ◆
浦原さん・阿近さん→ドリップコーヒー
一護たん→ホワイトモカ
れんれん・修兵兄さん→アメリカーノ
一護はいつも違う物ばかり選ぶ。他4人はほとんど同じメニュー(甘いの苦手組)。スタバ行きてぇ。









スタバ行きたい!




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