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ぷちぷちと、ひとつずつ外されていくボタンを見る。白いシャツに伸びた手の平も同様に白かった。病的な色彩を纏うのが浦原喜助その人である。
なぜ、今日に限ってゆっくり外していくのだろうか。一護は荒げた呼吸を必死で抑え、ボタンを外していく指先を凝視した。浦原の顔は見れない。身体中に循環した熱が暴走するかもしれない。そんな危惧が脳内を占める一方で、焦らされている事に少しだけ腹が立つ。

「……らはら」
「まだだめ。服、脱がなきゃ汚れちゃうでしょう?」

大層意地悪い事を言う。
男は業とそうしているのだろう。途中で愛撫を止めた手は今、一護のシャツを脱がす為に揃ってボタンを外している。片手で外せる癖に。焦らすために業と両手を使う。
ぷち。第二ボタンが外れる。露になる肌の色が、重なる白いシャツと浦原の手の色が。とても背徳的に映り、一護は我慢が効かなくなった。

「ん、うら、…はら……」
「あ、一護さん…こら。まだダメって言ってるでしょう」

浦原の両手を取って身を寄せる。
頬に触れる唇を移動させて口端に小さく口付ける。ちゅ、と鳴る音が、自身が保持する熱を暴走させようとニヤリ、不敵に微笑んだ。

「だめ、…も、我慢できな……」
「イケナイ子。待ては、覚えないの?」

悪戯に肌を引っ掻く浦原の指先に体が過剰に反応し、揺れ動く。この男は性質が悪い程に美しいから、一護は潤みきった瞳で懇願した。
早く、触って。もっともっと奥の奥まで、暴いて。俺を、暴いて。
強すぎる熱は厄介な色彩となって浦原の視神経を貫いて下肢に打撃を与え始めた。
両者共、互いに焦らし、焦らされているらしいこの現状。浦原は一護の稀に見る痴態に内心ほくそ笑んで、ゴクリと生唾を飲み込む。
上下に動いた喉仏は芸術的に綺麗だったから、一護は我慢出来なくなって噛み付いた。
喉奥で声がこもる。ぐ、と鳴いた浦原の声がまた熱を上昇させていく。ああ、溜まらないなあ。だなんて浦原は思うも、自分からは行動に移さない。
乗り上げてきた子供の腰へと手を添える。下肢の衣服は全て取っ払い、残るはシャツのみとされた格好の一護はかなり、目に毒だ。
第二ボタンまでしか外していないので、胸の突起部分には未だ触れていない。
浦原はそろりと手を移動させ、シャツ越しから突起を探り、見つけ、そして指の腹で強めに押し潰した。

「きゃぁっ」

浦原の耳朶にキスを贈り煽っていた子供が鳴いた。
きゃあ?浦原はちらりと一護を覗き込む。
覗いた顔はとても赤くて本人もまさか、あんな風に鳴いてしまうだなんて思ってもみなかったのだろう。震え始めた華奢な肩がとても可愛らしい。
くすりと意地悪く笑い、ずらしたシャツから覗く肩へとキスを贈る。期待に震える肩が「もっと」と言っているみたいだ。
胸の突起を撫でる。時折強く押し潰せば「ん、ぅ」と高い声で鳴く。
君は、とても良い声で鳴くんですね。耳元を犯す用量で低く囁けばぶるりと身体が震え上がり、一護の息が荒くなる。とても熱い吐息だ。

「ね。一護さん」
「……ん?」
「こっちだけで、イってみる?」

え?声を発するよりも先に浦原の舌がシャツ越しから突起を舐り始めた。
ひう!と息を飲んで、いやあ、と声を逃す。自然と揺れる腰は男に強い愛撫を強請り、浦原の頭を抱いた両腕は既にカクカクと痙攣している。
熱い舌先がシャツを湿らせ、濡れた感触を肌に伝える。ぷくり、意図も簡単に立ち上がった突起を食み、軽めに噛まれたら高い声が出てしまう。

「…も、いやぁ…っ」

ちゃんと触って欲しいけど。この焦れた感触がとても感じてしまい、一護から発せられる拒否の言葉は「もっと焦らして」と懇願していた。
浦原は丹念に舐り噛み、押し潰す。
一際高く鳴いた後、一護は身体の力を抜いて背中から落ちかけた。咄嗟に腰を掴んで引き寄せ、一護の心臓付近に耳を寄せる。
どっくどく、どくどくどく。早い鼓動が忙しなげにリズムを刻んで耳に心地好い。

「イっちゃいましたね」

浦原の作業着を濡らす白い液体がべっとりと円を描いてシミを残したのを確認して、笑いながら濃厚な口付けを与えた。















鼓動さえも愛おしい




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