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彼女の真っ白い手は彼女の自慢の手だった。
長く均等に伸びた綺麗な指に、長くはない爪は桃色で丁寧に手入れされていた様で。指先の一本一本、きめ細かい皮膚が骨と肉、神経と血管を覆い、彼女の手は指は出来上がっていた。完成途中の幼い手。けれども手だけを見れば大人の手にも見えるそれ。不躾な人工色を爪に乗せないから幼いのだ、きっと。
ピアノの鍵盤を叩く上でコンプレックスまみれだった彼女の唯一の取り得がこの手だと聞いた。食器洗いをせず、楽譜より重い物は持たない。料理もしない。洗濯も。彼女はこの時代に生まれていなかったらマリーアントワネットになるつもりだったのか。そんな彼女の自慢の手も翌朝には生ごみ扱いになると言うのに。

「ちっくしょ…年末年始が無いのは分かった…分かったが…何も年末前と言うか前日にこんな厄介な事件持ち込まなくても良いじゃんかっ!畜生…帰りたい…っ」
「お前の意見に賛同はするが………口を動かしてる暇があるなら手を動かせ馬鹿」

苛々してるのはお互い同じ。年末を翌日に控えた12月30日午後18時半。ラボでは白衣を着た二人組みがぶつくさと(一方の男だけだが)先程から文句垂れ流しながら手を進めていた。

「あーあ…俺なにやってんの…こんな所で…あーあ…綺麗な手ぇ…」
「手だけだけどな。ホラ、手ぇ動かせ!」
「え?俺の?それともこれ?」

不謹慎だろうが。と言うが昨年結婚しだばかりの同僚ー志波海燕ーを見て浦原はまあ仕方無いかと海燕の苛立ちをスルーした。

「なあ…犯人捕まったんだろ…わざわざ検証しなくったって…」
「念には念を。上からの圧力。はい、ご愁傷様〜」

中庭の土の下、屋根裏、ガレージから見つかった彼女の遺体の中で一番綺麗に残っていた手の皮膚を丁寧に剥いでいく。赤い肉、筋肉と筋と血管と骨。爪は一枚一枚剥がして今はプラスチックのケースの中、保存液と一緒に優雅に漂う。全く…不謹慎にも程があるがこうでもしないと頭がおかしくなりそうだ。唇をマスクで隠して浦原は密かに笑った。

「お〜お疲れさん。どやった?」
「なんも〜全く異常なし。切断部位の表面に荒い凹凸があったから道具はのこぎり。DNAも付着してたんだろ?」
「一致や」
「頭部も損傷は激しいが絞殺で断定できたし」
「え?頭部残ってたん?」
「でろんでろんだけどな」

うーわー。と目を細めながらポテトチップスをボリボリを食らう平子の向かいに座って煙草に火をつけた。4時間ぶりのニコチン補給。肺いっぱいに流れこんだニコチンは脳内を柔らかく刺激して眩暈を起こさせる。これだから煙草は止められない。
犯罪者は年末年始も関係ない、年中無給らしい。人間なんて沢山居るのに減る事などなく増えるのは頭の悪い犯罪ばかりだ。考えてみたら今年も仕事尽くめだった様な…貢献し過ぎでしょう私…。だなんて思って、オレンジ色の子を思い出して一人ほくそ笑んだ。ああ、違うか。仕事ばかりの1年じゃあなかったな。

「志波ぁ、見てみぃ。これが鑑識科の変態代表浦原喜助やで〜?何一人でほくそ笑んでんねん。気色わる」
「…平子、鑑定してやろうか?」
「バラバラになったら放っておいてや。ほじくり回されんの嫌やねん」

この科は不謹慎でデリカシーの無い奴等ばかりが所属するらしい。ま、並の神経じゃやっていけない職だとは思うけど。
あの白くて綺麗な手は今はパーツ毎に分かれていて、もう面影もない。ラボの保存用冷凍庫に保管されている。明日には生ごみになるだろうそれがなんだか居た堪れない。写真を見たが美人とも不細工とも言えない。平凡な顔の持ち主の子だった。浦原の大切な子と同じ歳の彼女の将来は今、冷凍庫の中でゴミ収集車を待つばかり。
RRR、RRR
耳慣れた音がし、浦原は白衣のポケットから携帯を取り出した。最新型の液晶に表示された名前に冷えた心が温かくなるのを感じる。タッチパネルに触れて通話ボタンを押し、耳に当てた。

「もしもし」
『あ…悪ぃ…仕事、今大丈夫か?』
「大丈夫だよ。どうしたの?今家?」
『う…うん。お前の…あのさ、ちょっとキッチン借りて良いか?』
「良いっスよ。好きに使って。頑張れば10時には帰れますんで。待ってて?」
『うん』

うん。だって、可愛い。通話を切った後までもあの少し低くて高い子供特有の声が耳に甘く残る。なにかキッチンを使うらしいけど、あの子料理とか出来たっけ?考えてまた笑った。後ろを振り返ると二人の同期達がニヤニヤとえげつない笑みを浮かべているので浦原も負けじと人の悪い笑みを二人に向けた。

「私が頑張るんじゃなくてお前達が頑張るんだけどな」

うわ!最悪コイツ!だとか、なんやそれ偉そうに。だとか文句が聞こえたが浦原は敢えて無視し、殺菌されたゴム手袋をつけ、マスクを耳にかけ口元を覆った。さあ、あと一仕事。






暗くなった部屋に入る。外から見ておや?とも思ったが時刻は11時ちょっと過ぎ。あの後、次から次へと仕事が出てきて三人でもくもくと終わらせてやっと職場を後にしたのが10時過ぎ。約束の時間には間に合わなかったな…と外から見る自分の部屋の窓に明かりが灯っていないのを確認して少し項垂れた。
鍵を差込み静かに玄関へと入ると少し良い香りが鼻をつく。きっと何か作って一人で食べたのだろう。そう思ったら胸が痛んだ。今晩は一緒に夕飯食べようと思っていたのに…。それでも一護は何も言わない。付き合ってまだ1年だが、一護からの我侭は聞いた事が無い。浦原の仕事とか体調を一番に考え、自分の思いなんて後回しだ。

「ちょっとは我侭言って良いものを…」

ポソリと呟くが、独り言は廊下に続く闇に飲まれ消えていく。リビングに続く廊下の左側、そこに寝室がある。リビングには寄らずにまず寝室を開ける。廊下の明かりが部屋へと吸い込まれる様に入り、暗い部屋を仄かに明るく染め上げた。


セミダブルのベッド。布団からオレンジが見えた。
ふ、と一つだけ笑いベッドへと近づく。遺体を触っていると人肌が恋しくなる。暖かい人間の体温が、欲しくなる。触れてそれだけで止めれるか分からないが、風呂に入る前に寝顔が見たい。多分、一護の寝顔、体温を感じれたらこの不快な気持ちも疲れも何もかも吹っ飛ぶと思うから。自分も昔に比べたら甘くなったもんだ。そう思ってまた笑った。
ギシ、ベッドのスプリングが鳴る。少しだけ背徳的に思えた。何度かこのベッドの上で乱れたから、その記憶が鮮明に浦原の脳内をかき乱す。記憶に熱を上げられる。

「一護さん」

触れた頭は柔らかく仄かにシャンプーの香りがした。ぬる。浦原に背を向けた形で眠っている一護の頭を撫でる時に感じた違和感が感触により手から伝わる。

「一…護さん…?」

ぬるり。それは生温く浦原の指先を濡らしていく。シャンプーの香りと仄かに漂う違う香りは浦原の嗅ぎ慣れた物。まさか、そんなまさか。ドアの隙間から入り込む人工的なオレンジの光に照らされ、浦原の手に付着した何かがテラテラといやらしく笑った様な気がした。
職業柄が災いした。と誰かが自分の中で冷静に告げる。
皮膚一枚を隔てて保たれるその真紅が今、己の手と枕、それと眩いばかりのオレンジをその色で染め汚していた。
それと同時に丁寧に皮膚を剥いで覗いた彼女の中身。異様に綺麗な白い手首を思い出す。




「きすけ!」

バシっ。と軽くも派手な音が脳内を刺激する。ジンジンと痛み出した頭上から脳が覚醒してくる。異様な浮遊感を感じて体が反射的にビクリと動いた。見開いた瞳、額からぶわりと冷や汗が流れ、白のタイルに落ち弾かれる。

「な〜に居眠りこいてん!イチゴちゃん待ってるんやろ?こん所で居眠りぶっこいてる暇があったら帰ってやりぃ〜後は俺達で……って早いなアイツ……」

何コールか鳴った後、それが無機質な音声に変わるのが怖くて浦原は3コール目で電話を切り、また掛けなおす。
柄にも無く携帯を持つ手が震えていた。赤になる信号が忌々しい。握っていたハンドルを人差し指で弾きながら、夜の空に瞬く赤がフラッシュバックを呼び起こす。なんて、忌々しい赤。
もう一度電話を鳴らすも繋がらない。
無機質な機械音と赤の信号で浦原の思考回路がショート寸前まで追い込まれる。いつもの自分らしくない。
夢にでさえも、惑わされる。
ちっ、大袈裟に吐いて捨てた舌打が車内に流れるラジオの音にかき消された。
夢に見た同じ風景が今目の前にある。どうしようも無く早く動く心臓を、いっその事止めれたらどんなに良いか。
車を専用ガレージに押し込んで、荒々しくドアを閉じ、足早にエレベーターへと駆け込む。オートロックなマンションでもこんなご時勢だ。いつどこで何が起こるかは想像だに出来ない。ああ、もう本当…

「殺す気っスか…っ」

心臓が跳ね上がる。自分の一言にさえも動揺する。
コートのポケットに突っ込んだ鍵を取り出し、それを差し込んで回す。カチリと静かな音が静寂の中で嫌らしく大きく響いた。
入ったと同時に浦原を出迎えたのはあの暖かいオレンジでは無く、静寂を守る冷えた廊下と薄暗い闇。
慌しく靴を脱ぎ、後ろ手に鍵を閉めて寝室へと入る。

「………」

居ない。廊下側に位置する寝室にあるのはひんやりと冷え切った空気とただの闇で、その真ん中に設置されたダブルベッドは乱れた痕跡も無くただそこにあるだけだった。
あの夢が鮮明になっていく。浦原の脳内で目まぐるしくもリピートされる。あの赤だけがヤケに目を痛くする。
バサっ。
夢と同じビジョンが広がっていない事に呆けている時、リビングの方から聞こえた音にはっとする。
コクリと浦原の喉が上下し、慎重に足音を立てずにリビングへと向かった。

「………一護、さん」

黒の革張りのソファへと横になり、灰色のブランケットを被りながら、すぅすぅと健やかな寝息を立てているのを確認した瞬間、何かが浦原の心臓部位から転げ落ちる様にストンと消え去った。自然と息を吐く。
赤い赤いあの色が視界の周りを覆って、そこから少しずつ薄れ、最後には跡形も無く消えていく。それに重なる様に今度は眩いオレンジが視界を鮮明に染め、その事に浦原は安堵する。

「一護さん」

健やかな寝息を立て、眉間に寄る皺は今は無い。そのあどけない寝顔に、ぐっと胸の中で何かが詰まった。それが苦しくて堪らなくて、壊してしまわぬ様、頬に触れて柔らかくキスをする。
暖かな人間の体温が指先からじんわりと侵食する様に、浦原の胸の中で蟠っていた何かを優しく溶かしていった。

「ん、……あ、…かえり…」
「ただいま」

寝惚けた時に出る一護の声が好きだ。快楽を必死で追い、小さな悲鳴みたいな声も。窘める時少し低くなる声も。
一護さんの声が好き。一度そう言ったら酷く照れた顔でバーカと言われた。

「らさん、…ご飯…」
「ごめん。もう少し」

このまま。上体を起こした一護の腰に両腕を巻きつけ浦原はフローリングに膝立ちをする様に抱きついた。まるで子供みたいだなと一護は思い、自分よりも歳の離れた大人な彼を見て少し可愛いと思った。
するりと浦原の髪の毛に指を絡ませ撫でる。淡い月色の髪の毛一房一房がサラサラと指の間をすり抜けていく感触がなんとも儚い。何をぐずってるんだか。大人なのに時々子供な彼。一護はそう考えてまた小さく笑う。

「…なんだよ。甘えん坊だな」
「……時々は、ね…」
「いつもじゃねーか」

笑う一護を見上げて、頭を撫でている手の平はそのままに一護は、ん?と浦原の目を見て笑った。
ああ、参った。浦原は目の奥が熱くなるのを感じ、再び顔を背け抱き締める腕に力を込めた。
暖かな一護の体温を全て奪いつくす様に。この体に刻みつける様に。







なんだそれ。一護は笑いながらキッチンに立つ。

「笑い事じゃなかったんスよ。………アタシにとっては」
「仕事し過ぎ。あ、それ取って」
「これ?」

浦原が大きめの皿を手に取り一護に手渡す。
簡単なサラダとデパ地下で買った惣菜が色とりどりに皿へと乗せられていく。コンロの上の鍋からは良い香りがし、それが仄かに暖かく室内を漂う。
くすくす。隣で嬉しそうに笑む一護を見て浦原は珍しいなと思った。
眉間に寄せられた皺は癖らしく消えては居ないが、いつもの無愛想な表情が消え、嬉しそうに微笑みながら手を動かしている。笑顔になると歳相応だなと思う。

「…なんすか?」
「え〜?何が?」
「なんか…凄い嬉しそう」
「や、あんたでも不安な時ってあるんだな〜って思って。いつもすまし顔で何か起こってもふ〜んって一言で片付けそうじゃん?だからあんな風になった浦原さん見てああ、この人も人間なんだな〜って」
「アタシだって不安事の一つや二つ……ことさら君に関しては弱くなるみたいです…」

そう言うと隣に居た一護の瞳が丸くなって浦原を見、その頬がみるみる内に赤くなるのを見て、ああこれは駄目。と思った瞬間、一護の唇を奪っていた。
一度軽く触れる。それから唇を離しても抵抗らしい抵抗を見せず呆然としたままの一護に何も言わず二度目をけしかける。

「んっ」

鼻にかかる声がなんとも甘い。くちゅくちゅと侵入させた舌先で口内を弄る。一護の両手が浦原の胸の辺りを押し退けて抵抗を示すけど、それすらも甘えている様に見えてしまうんだから末期だ。
柔らかく後頭部に手を添えて口付けを深める。眉間に寄せられた皺、きつく閉ざされた瞳。ふるふると震えだした睫にさえも魅了されてしまう。

「ふ…っ、……し、つこい…」
「………ねぇ」
「…え、ま……待て、浦、っ……どこ触ってんだ!」
「ねぇ、このまま」

このまま?その先に続く言葉は意図を持ってシャツの中に忍ばせた手の動きが示している。
浦原の甘い瞳に中てられて一護は頭の中が痺れる感覚を覚えた。縋った指先は震え、浦原の襟首を掴む。もう抵抗すら甘えているみたいだ。

「…はっ、ぅう…っ」
「力、抜いて」
「の…っ体制、き…っつい…」

シンクに両手を置かせて浦原は後ろから一護を攻め立てる。熱い一護の中は浦原の人差し指と中指をパクリと咥えて、そこから生み出されるぐちゅぐちゅとした水音が一護の鼓膜を愛撫して止まない。

「はぁ…はぁ…あうっ、や!そこ…っだめ!」
「ああ、良いとこだっけ?」

一護が一際高く鳴く良い場所を指先で押し当てながら耳元で甘く囁けば一護の足はガクガクと震え、もう立ってられないと言うかの様に浦原の腕を掴み懇願する。
潤んだ瞳は色濃く浦原を映し出し、眉間に寄る皺はいつもとは違う。それは浦原だけに見せる表情で、強すぎる快楽は時に意地悪く一護を追い立てる。まるで浦原そのものの様なセックスに一護は毎回毎回泣いてしまう。
力無く浦原の腕を掴んだ一護に少し笑って体を反転させ、その両腕を自分の首へと誘った。自然に絡みつく腕に満足して細腰を引き寄せ一気に貫いた。

「ああっ、はっ、…ぅ」
「……く、…きつい?」

慣れない体制に一護の瞳から零れ出た涙を舐め取る。しょっぱい涙が舌に乗った瞬間仄かに甘く刺激する。
力無く首を横に振りながら一護は強気な目で浦原を見て「動け」と勝気に浦原を挑発したので、眩暈がした。
きゅうきゅうと浦原を締め付けて離さない一護の中はキツく、直ぐにでもイってしまいそうなので困ったなあ、と内心ほくそ笑みながら浦原はゆるゆると動かす。
一際高く鳴く所を攻め立てれば一護の瞳からこぞって涙が溢れ出る。肩に走る小さな痛みも一護が与えてくれるのなら快楽になる。追い立てて、煽られて、それの繰り返しで愛を口移しで貰う。

「もぅ、あっ!浦……原ぁっ、」
「うん……、一緒に、」

緩やかな律動を激しくしてお互いがお互いの熱で逆上せる様に。
低体温な浦原の体に一護の熱が移る。人間の暖かさが、浦原へと移っていく。





「…キッチンで見境も無く盛ったのは謝ります。が、これは……出来ればご飯がたべた、……すみません…」
「なんで謝るんだよ。俺別に怒ってねーよ。あんたが大人気も無く盛ろうがキッチンで盛ろうが風呂場で盛ろうが玄関で盛ろうがなんだろうがもう慣れたし。ホラ、食えよ。折角浮竹さんの所予約して買ったんだ。あ、それと遅くなったけど誕生日おめでとう。これでまた一つ歳取ったな。もう見境無くどこでもなんでも盛るなよ?来年の抱負な。はい、フォーク」

もの凄いスピードで一度も噛む事なく一護の口から出てくる言葉の嵐に責め立てられ、それから目の前にあるチョコレートでコーティングされた見るからに濃厚でクソ甘そうなケーキ(しかもホールだ)を見てゴクリと生唾を飲み込んだ。せめて珈琲が欲しい…ブラックの濃いヤツが……。
そう思ってフォークを無理矢理持たされ一護を見るも、あまり見た事の無い笑顔で(だけど今はそれが末恐ろしい)浦原が食べるのを今か今かと待ち構えているので、少しだけフォークに取り恐る恐る口へと入れた。

「………あれ?甘く…無い…」
「よし!成功ー。あんな、浦原さん甘いの駄目だろ?でも誕生日にケーキが無いのもな〜って思って浮竹さんに少しだけ無理言ってオーダーしたんだよ」

一護曰くチョコはベルギーのコード・ドールで、中は珈琲のムース、生クリームは使用していない。スポンジでは無くムースの下はタルト生地になっていてその間にワインと混ぜたチョコムース。甘さ控えめの大人なチョコケーキ。浦原の古い友人でもある浮竹の所のテッサイが手によりをかけて作ったと分かるそのケーキに、浦原は二口目を口に運び入れた。
うん。美味しい。

「流石……」
「じゃあ意地悪はお終い。メシ食おうぜ。……浦原さん」
「ん?あ…、」

呆けてる浦原の唇に一護の暖かい唇が乗ったと思った瞬間、耳元で照れた様に囁かれた言葉に浦原の心が温かい何かで埋め尽くされる感覚を覚えた。

「…おめでとうございます」
「ありがとう」

自分から仕掛けて来た癖に照れてそっぽ向きながらそう言う一護が可愛くて浦原は笑いながら一護を抱き締めた。
トクントクンと、密着した肌と肌から服越しにでも分かる心拍音が心地好かった。























暖かなその体温に宿る恋情がいつか僕を殺してしまわないように、キスをして誤魔化して愛してみた。



◆浦原様お誕生日おめでとうございます記念小説。
なんだかグダグダ感が出てるが…鑑識物の小説を一回ロングでUPしてみたかったんです^^拍手にてお礼小説として書いていたヤツのパロディ。
浦原様と高校生な一護さんの恋物語(なんかこっぱずかしい単語だな←)最初ら辺がダーク要素を兼ねているのは海外ドラマボーンズを見ていたからです。あのドラマ好き過ぎる。人間の骨って歴史なんですね。なんでもわかっちゃうんですね。あと、天才って変態なんですね(真剣)
浦原様だって夢に惑わされる時あるんだよー、一護に甘えたくなる事あるんだよー、見境なく発情する事あるんだよー。な一護が最終的に振り回されている感たーっぷりな小説になっちゃいましたが……ともかく旦那、誕生日おめでとう御座います^^




あきゅろす。
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