49 シーツが擦れてベッドのスプリングが軋む。 ギシッ。 爪先で歩いてゆっくりドアを閉めてベッドに上がり込むのは彼の気遣いで、ベッドが重みを感じスプリングを唸らせる音を最後に浦原は一護の隣に潜り込む。 横向きに眠る一護の腰に腕を回して距離を縮める。それからオレンジ色の髪の毛にキスを贈ってフウと一息吐く。 夜中に帰ってくることが多くなった浦原の職は悪い時では早朝から出て早朝に帰ってくる事を余儀なくする。犯罪者は年中無休で時間も選んじゃくれない。時々吐き出す弱音は皮肉交じりのジョークを含んでいたが、浦原は必ず五体満足で一護の元へ帰る事を約束してくれた。 「ん…、」 同じボディソープのバニラの香りとシャンプーの香りが鼻腔を燻っては眠りの浅瀬から一護を呼び醒ます。 眠る前には必ず一服してからベッドに潜るものだから少しだけ焦げた香りがする。クン、鼻を鳴らして両目をゆっくり開く。 「…ごめん、起こした」 夜の闇に気付かれぬ様に囁く声は酷く掠れていてやたらセクシーだ、思って笑いながら首を小さく振った。 「おつかれさま」 そしてお帰りなさい。 浦原に囁く言葉もまた小さい。一護の声を聞き逃さんとして更に体を密着する。足を絡めたら浦原の足が冷たいのが良く分かって身を捩った。 「足、…つめてえ」 「今日は良く冷える」 一護の前髪を梳かして露わになる額にキスを贈る。 「そこだけか?」 「ちゃんとして欲しい?」 「ん」 「フ、…甘えん坊」 笑いながら口づけて、唇から体温を摂取。 下唇を啄ばんで柔らかさを味わってからゆっくり深く繋がり今度は呼吸を貪り合う。 徐々に息が荒くなって一護の眉間には皺がより濃くなる。 「…明日は?」 「休み」 「疲れてない?」 「全然」 「眠い?」 「…あんたが起こしたんじゃん」 もう良いから早く。浦原の首に回る腕がそう急かしたのを合図に冷えた手をシャツの中へ侵入させた。 なだらかな肌に掌が吸いつく。腰のラインを指先でなぞるとくすぐったそうに腰を捻る。悪戯な手をそのままに続ける口付けは一護の熱を上昇させて体温を一気に上げる。 ハっ、ハッ、ん…。 絡めた舌先と交差する呼吸と交る唾液に口内から犯される。疲れていないかと浦原は聞くが、そんなもん2週間ぶりの濃厚なキスと愛撫で全部吹っ飛んだわボケと浦原の舌先を噛んで不満を伝えた。 「い、ま…だけは…おれ、の…っ」 箍が外れて上に乗り上げた一護は熱に浮かされるがまま、本音を剥きだして腰を健気に振るった。 孤独は夜のネオンに殺される |