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いろ、イロイロ

ここに来ると暇だ、と彼が言ったから。
ならゲームでもしますか?なんて言って商店の棚から埃をかぶったオセロ盤を取り出した。
古びた外見は売れ残っていたことを物語っており、かなり見栄えは悪いが使えない程では無い。寧ろ堅苦しくなく質素過ぎず、暇潰しには丁度良い程度だった。


「商品だろ?使っていいのかよ」
「いいんスよ。この店の店長アタシですもん」


それはそうだけど、とまだ渋っている一護を手招いて向かいに座るよう促す。呆れた様に一護が頭に手をやり、しょうがねぇなあと呟いた。
パチパチと乾いたプラスチックの音が部屋に響く。


「黒崎サン」
「……… 」
「黒崎サン」
「……… 」
「もしかしてボードゲーム弱 」
「……うるせぇ、黙ってろ」


数分後。オセロ盤は見事に黒一色になっていた。あるとすればちらほらと白い駒が見える程度。無論、白い方が一護だ。


「如何様とか、」
「してませんよー。ただ単に黒崎サンが弱……」
「それ以上言うな」


何でだとオセロ盤を睨んでいる一護をボンヤリ見ながら、掌でオセロの駒を転がす。待った≠ヘ無しですよんと声を掛けると一護が握っていたであろう駒が眉間目がけて飛んできた。 ……少し痛い。


「黒崎サン」
「言うなって言ったろ」
「黒は、闇を連想しませんか」

いきなり違う話題を振るわれ、眉間に皺を寄せながら一護が顔を上げる。
それを確認しつつにっこりと張りつけた笑みを浮かべ、続けた。


「闇はね、色を奪うんです」


ほら、真っ暗な所では何も認識出来ないでしょう?
日向ではあんなに輝いて見えるビー玉だって、一度日陰に入ってしまえば何の変哲も無い硝子玉。
昼を支配する太陽だって、夜の闇には適わない。
大樹になる芽まで摘み取ってしまうことだろう。
才能ある若者を底無しの奈落へと突き落としてしまう、まるで今のアタシの様。


「キミが白だとするのなら、アタシは間違いなく黒だ」
「アンタが、黒?」


暫しの沈黙の後、口を開いた一護が発したのはこんな言葉だった。


「納得出来ませんか」
「アンタが黒、ってのが納得いかねぇ」
「へぇ、それじゃあ黒崎サンは何色だと思うんスか」
「浦原さんが?」
「ええ」


そうだなーと軽く腕組みをして暫し唸った後に、一護が疑問形の台詞を呟いた。


「……緑、とか」
「……は?」


その言葉の意味を理解すると同時に盛大に吹き出して声を上げて笑う。緑って、そのまんまじゃないッスかと肩を震わせれば、本当のことじゃねぇかと拗ねた様な声が聞こえた。


いろ、イロイロ


(ありがとう、愛しい人)
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君の笑顔に救われた










◇遅くなりました…本気の本気で遅くなりましたぁっorz
すみません鏡柳様!ヘタレですみませんマジですみません産まれ直してきます(本気)

終わりを告げる鐘が鳴るの鏡柳様から頂いたフリー小説!も…本気で神だと思いませんかっ?はぁ…ボードゲームをする二人…そりゃあ浦原たまは策略者なんで強いですよ…そして負けず嫌いな一護たま…orz可愛い二人にノックアウトです。
そして私はもっと鏡柳様を見習ったら良いと思う。本当にorz
遅くなりましたが鏡柳様ありがとう御座います!家宝にします!




あきゅろす。
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