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青空2


想うのってこんなに苦しいんだな。そう言って笑った一護の表情には照れと苦痛がない混ざっていた。それが修兵に苦しみを与える。
綺麗にその長身を曲げてお辞儀をした男はボストンバッグを手に持ちターミナルへと降りる人混みに紛れて行ってしまった。冷めた温度を持つ男の眉間に寄せられた皺。もっと飄々としているかと思ったのに。何故だか彼のあの表情があの時の一護の表情とダブる。恋って苦しいんだな。そう言った一護を抱き締めてやりたくなった。違う、違うよ。恋って辛い事ばかりじゃねーよ。そう言ってやりたかったがそれは自分の役では無いと修兵は思う。

「……どいつもコイツも……不器用だな……」
「檜佐木さんっ!!!!」

ふう、と溜息を吐きキャップを目深に被りなおしている最中、極力小さい声、それでもどこか怒気を含んだ様な声で呼ばれたのでゆっくり振り返る。

「…おう、吉良」
「何してるんですかアンタ!これからスタジオだってのに急に方向変更させた挙句こんな、こんな、人の多い所に来て!もう、僕の…胃が……っ」

青い顔をしながらも眉間に深く皺を寄せながら運転手兼副マネージャーの吉良が修兵の腕を掴み、もう逃がさないと言わんばかりの目で睨みあげた。

「悪い悪い。………なあ…吉良ぁ、」
「なんですか?ホラ、急いで……ばれる前にこっから移動しなきゃ……」

もしばれたら…とか、ああこんな所で騒ぎを起こしたくない、だとか。色々悩める事が多すぎるので吉良は腹部を押さえながらも修兵の腕をガシリと掴み歩み始める。そんな気の毒なマネージャーを眺め、修兵は窓の外に広がる青を見つめた。

「お前、一護の事好き?」
「はあ?何言ってんすか……当たり前でしょう」

修兵の方を見ずにそう答える吉良を見、小さく微笑んだ。
サングラス越しからでも分る。ああ、今日は凄く良い天気だ。冬の寒さを彩らない程の晴天、なんてピクニック日和。

「だよなあ」

修兵は顔に笑みを貼り付けたまま、吉良の歩みに合わせて足を進めた。














冬の青空に想いを隠して




◆とうとう旦那が旅立ちます。お達者で……←
なんと言うか、修兵さんが中々に良いポジションです(笑)原作ではあまり関わりが無いんですが、修兵って案外真面目ですよね?ってか結構な苦労人…若干ではありますがその点では一護さんと似ているなあと思っております^^^
兄貴修兵VSチキン浦原なお話になっちゃったんですが…いや本当、一護は皆のアイドルだよね!って主張がしたかったんです(テヘテヘ)あれで浦原氏を殴っていたら修兵さんは後々大変な事になっていると思います(エヘエヘ)←



あきゅろす。
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