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晴れのち、銃弾。
気になるのは明日の天気じゃなくて。これからの自分の末路。
「部隊に戻ってみんか?」

そう呟いた老人の声色(そして、周りを覆う微妙な雰囲気と言ったら無い)からして自分に拒否権等、無いに等しい。

「…はあ。」
「主とて、何時までも研究室に引き込もってばかりじゃと。体が鈍るじゃろ?」
「……はあ。」
「何も又隊長に戻れとは言っておらん。」
そう言われていたら直ぐ様断っていただろう。
頭が痛い。
頼むから、二言目の台詞が溜め息だと気付いて欲しい…。

「どうじゃ?悪い話ではなかろう?」
「………はい。」

ギラリ。とむやみに鋭い視線なんか送らないで下さい…。
悪い話どころか、ぶっちゃけ面倒臭い。(そう言えたらどんなに楽だろうか!)
簡単に言えばアレだろう?


「子守りですか?其れ。」

ズバリ。と言い当てた部下に苦笑しか浮かんで来ない。

「正直な御感想どおも。」

荷造りをしながら、その動く手は重い。
しかも。しかもだ!呼び出しをくらって席を開けているものの30分程度の時間。
精神的に疲れ、返って来たらこの有り様だ。

「十三番隊の方達が来て局長の荷物全て持って行かれましたよ?」

手が早すぎるのだ。
全く、何故こんな事だけ用意周到と言うか抜かり無いと言うか…。

「十三番隊かあ。局長、頑張って下さい」「…君、楽しんでません?」
「………まっさかあ!俺はこれでも局長の事、心配してるんすよ?」

だったらその間はなんだ?!と叫びたい所だったが。
今は銃弾を無数に浴びた様なこのボロボロな精神を休ませたい。

(研究がしたい…)

はあ。と溜め息を吐いて、痛む頭を抱えた。
隣では面白がっているであろう部下のムカつく笑顔。
窓から見えた空は。こちらの憂鬱が移ったのか。
今にも雨が降りそうな曇り空。

嗚呼、居るのだったら神様とやら、



(望む事なら。せめて明日は晴れ渡った空を見せて下さい。)




あきゅろす。
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