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初心に戻ってライブを開こうと敏腕マネージャーが珍しい提案をした瞬間からメンバーは大盛り上がり。
名前が売れていくのと同時に大きくなるライブハウス。メジャーデビューを果たした後は大きなステージにしか立つ事が出来ず、観客との距離が離れていく事に少し悲しい気持ちになっていた一護にとって、昔の馴染みでもあるライブハウスでのライブに心が躍った。
ステージから見て分かる観客の顔、近すぎたスポットライトの暑さ、反響するメロディー、どれもこれもまだ心の奥底、記憶として残っていてザワザワと血が騒ぎ出す。

「まあ、関係者だけ集めてのライブだけどな。」
「それでも良いっすよ。ソサエティにはデビュー前から世話になっていたんで何か恩返ししとかなきゃな」

騒ぎ出すメンバーを横目で見て笑いながらそれでも冷静に修兵は斬月に向き直る。

「斬月さん!そのライブっていつ頃?」

修兵の肩から顔を覗かせた一護に大体のスケジュールを話した。メンバーのスケジュール、ライブの準備期間、合わせて計算して早くて4ヵ月後。メンバーには多少無理をさせるであろうスケジュールを聞きながら一護は少しだけ悩む素振りを見せる。

「なあ、そのライブに向けてさ……一曲だけ新しい曲作っても良いか?」
「はあ?」

何を言い出すんだと恋次とグリムジョーが一護の方を向くが、修兵と斬月はまじまじと一護を見るだけで否定の言葉を発する事はしなかった。修兵は一護の頭に手を置いてやってみろとシニカルに笑んでみせる。


関係者だけのこじんまりとしたライブが決定してからと言うものメンバー各々のスケジュールは地獄にも等しかった。それでも一護は睡眠時間を削ってまで曲作りに励む。自宅に用意してあるスタジオにて悶々とギターのコードを繋ぎ合わせる。時々時間の空いてるメンバーを家に呼び込んでは曲作りに協力してもらっていた。(恋次にいたっては泣きながらギターを何回も弾かされていた)
今まで何曲か自分で手がけていたりもしたがブリーチの曲はそのほとんどが修兵が作り出した物だ。ロックバンドで売っている為か、修兵が書く歌はハードでいてどこか破壊的。その破壊的な中にメッセージがあるかどうかは定かでは無いが修兵曰くそれがロックだろう?と下品な笑みを見せる。それが凄く彼らしい。

今回一護が作り出そうとしている曲はきっとブリーチのイメージでは無いかもしれない。例えそうであっても構わないと一護は思っていた。自分の気持ちを歌にするなんて自己満足も甚だしいが逆に言えばこれも修兵が言うロックと同じ類なんだろう。図らずしもロックとは自己満足の塊だ。

「歌いてーなあ」

スケールの上に載る音符を指で辿りながら小さく口ずさむ。メロディになったそれは静まり返ったスタジオ内に大きく響いて耳に心地好かった。
あの時、カスタードクリームを拭った浦原の人差し指の温度を思い出す。なんであんな風に触れる事が出来るんだろう。平均以下の体温から何か伝わる物があれば良いのに。口端に触れてもあの温度が残ってる訳なんて無いのに、それでも何度も何度も触れてみる。無意識の内に触れていたものだから数日前、恋次に怪我したのか?と問われた。あの時ばかりは自分が何をしているのか分からなかった程。それが凄く恥ずかしい行為に思えて一人で真っ赤になった事を思い出して笑う。

『甘いっすね〜』

「ああ……あめーな」

耳の奥で浦原の声が反響する。記憶の声でもやっぱり男の声は心地が良かった。
甘い甘い、あの声に溺れていく。







多分、カスタードよりも甘い気持ち


◆一護が歌作るんですって^^^CDデビューしちゃったら買っちゃうよね。キャラソン買っちゃうよね。そんで笑っちゃうよね。可愛くて笑っちゃった女が此処に居ます(笑)
誰かの為に何かを製作するって結構な気持ちが要りますよね。私は好きな人に対して歌とか絶対作れません。なので一護さんが作ろうとしてる歌は浦原の為じゃなく自分の為の歌と言う事で作って貰おうと思います。ええ、チキンですから^^^←




あきゅろす。
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