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3


何かがオカシイ。何か自分の体の中で得体の知れない物が蠢いている感覚。なんだろうコレ…病気かな?一護は延々と考え、歌詞をメモしてたノートに走り書きをする。
手に持つシャーペンは自然と文字を生み出し、その真っ白い紙の上を滑らかに走った。

「……痛い、苦しい?息苦しい。ってお前どっか悪いのか?」
「へ?………っ!!!ななななんでもない!見るな!」

本当に何も考えずに呆けていたら心の中の葛藤が文字として現れていた様だ。後ろから聞こえた声に慌ててノートを閉じ、後ろに立つグリムジョーの足を蹴ってやる。

「っ!んのっクソガキ!!」
「るっせー!万年発情期!!」

ぎゃいのぎゃいの騒ぐ。今はスタジオで曲取りの最終段階だ。先程までドラムを叩いていたグリムジョーは眉間に深く皺を寄せたまま、一護の目の前に座りポカリスウェットをごくごくと豪快に飲み干す。

「今度はラブバラードか?勘弁しろよ、お前がラブって柄かよ?」
「はぁ?何言ってんだお前」
「いや、歌詞の話しだろ?」
「なんでそーなるんだよ。あれはちげーよ……えっと、ただ…」

ぶつくさ言いながら、ペンを回しては忙しない。そんな一護を訝しげに見ながら小首を傾げた。
苦しい、痛い、息苦しい。てっきり恋がテーマだと思ったが、本人が自覚していない。多分この子供はまだそんな物を知らない。

「ラブねえ…」
「だっから違うっつってんだろ!」
分かった様に呟くグリムジョーに苛立って傍にあったタオルを投げつけた。







「なぁ……」

意を決して発した言葉が予想以上に反響する。真っ白い風呂場に、女の子が好きそうなアンティークの猫脚浴槽の中に入りながら、立てた膝頭に手を置き少し遊ぶ。カシャカシャと鳴る音に未だ慣れず、視線をどこに置いたら良いのか分からない。
「僕に恋して」と言ったあの言葉が先程と同じ様に一護の頭の中で反響した。

「んー?」
「……その、さ……恋してって…なんだよ…?」

うわ。自分で言って顔を赤らめた。恋ってなんだよ。反響した自分の声が心臓をよりいっそう早く動かす。少しだけ苦しくなってワイシャツの上から左胸辺りを握った。

「目線、こっち」
「え…?」

カシャ。何がなんだか分からずに浦原は無心でシャッターを切る。見える訳なんて無いのに、レンズ越しからあの金色が見えた気がして…発作みたいに踊る心臓にどう対処したら良いか分からない。

「慣れてきたんじゃないの?今のなんてホラ、凄い色っぽい」

見せられたカメラの中のデータ。少しだけ困った様な、それでいて苦しそうな、そんな曖昧な表情をした自分が胸を抑えながら浦原を見つめる。それは縋っている目線に酷似していて。自分で見ても恥ずかしいその写真から目を反らした。

「…こんなん……俺じゃねー……」
「そう?じゃあ、どれが本当の君?」

浴槽の縁に寄りかかって長い脚を組んだ浦原は一護じゃなくカメラを弄りながらそう問う。こっちを見ろよと思ったが必死でその感情を自分の中で誤魔化した。

「……しらねー…」
「おや、自分の事なのに知らないの?」

おかしな子。と笑われる。いつだって浦原は一護を子供扱いして、レンズ越しじゃなきゃ見て貰えない。会話している最中だってカメラに夢中だ。
それが少し悔しくて(だって天下のボーカリスト様だぜ?)本当に、ほんの少しだけ悔しいから。一護は浦原の上着の裾を軽く引っ張る。

「なぁに?」
「………なあ、」










恋ってなんですか?



◆一護さんがほだされて来ました^^毎回思うのだが、私の一護さんはほだされるの早くないか?←
きっと私が浦原さんに恋をしてるからかもしらん。そんで一護にも恋をしてるから早ぅくっつけや。って言う思いで書いてるからかも知らん。
追記としまして、ジョーさんは一護さんを構いたくて構いたくて仕方ない病の可哀相な子です(笑)万年発情期言われとるがな^^^




あきゅろす。
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